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事故物件ロンダリング・バイト

不動産屋の形態にはいくつかあって、
ウチ見たいに売買がメインの所と、
賃貸がメインの所がある。

売買がメインな所は、
不動産を仕入れて付加価値を付けて売る事によって利益を得る。
または不動産売買の仲介業務で手数料を稼ぐ。

賃貸がメインな所は、
賃貸物件の仲介手数料や、
大家からもらう管理料・広告費などが主な収入。

賃貸で食ってゆくには、
如何に自分の所で抑える管理物件を多く持つかがポイントになる。
大家と提携して10世帯のアパートをひとつ預かるとする。
家賃に管理費を2千円乗せたとすると、
その不動産屋は、
1か月で2万円の管理費の売り上げがある訳だ。

かようにして10世帯のアパート10棟を管理したら
総部屋数は100部屋で、
月の管理費収入は20万円になる。
この他に管理している部屋の契約更新料で、
二年に一回更新手数料が家賃の1か月分入る。
仮に家賃が5万円で100部屋あったら、
二年に一回500万円入る。
月にならすと約20万円で、
さっきの管理費と合わせると月額で40万円になる。
これが200世帯管理していたとすると、
売り上げは倍になる。

だから賃貸がメインの不動産屋は、
なるべく多くの管理物件を持ちたいわけだ。

たくさん管理物件を持つのは良いのだけれど、
住人の苦情や問題を解決しなければならない。
家賃の不払いについては、
近年家賃保証に加入する事を条件に賃貸借してるから、
家賃滞納が発生しても、
保証会社に電話を入れれば業務終了。
昔に比べたら随分楽になったものだ。

管理していて一番厄介なのは、
自殺や事件が起きる事だ。
いわゆる事故物件って奴だな。

事故物件が発生すると、
その部屋はしばらくの間貸せなくなる。
当然大家は家賃が入らないし、
不動産屋は管理費や更新手数料が入ってこなくなる。

最近はわざわざ家賃が安い事故物件を選んで入居する店子もいるが、
それはごく少数で、
ほとんどの人は避けるのが事故物件。
で、それをどうするかとう言うと、
金を支払って、
事故物件に実際に一定期間住んでもらうんだそうだ。

このアルバイトはあまり公募されず、
口伝えで広げられていて、
事故物件に賃貸借契約をしたと見せかけて実際に住んでもらう。
バイト料は1か月あたり数万円から10万円程度。
これで3か月から半年ぐらい入居してもらう。
水道光熱費は不動産屋もしくは大家が負担する。
バイトは家賃タダの上にバイト料はもらえるし、
光熱費不要で住める。

事故物件でも一度誰かが住めば、
次に入居する人に事故物件である事を告知しなくても良いという事になっている。
大家にしてみれば、
何年も家賃収入を失うよりも、
数十万円支払って次の入居者に住んでもたらった方がお得という事だ。

近年大家向けに、
事故物件保険ができたが、
原状回復の為の費用と、
数か月分の家賃保証は出るが、
ロンダリングはできない。
ロンダリングして非事故物件にしないと次の入居者が入らない。

以前は事故を起こした遺族と賃貸契約を交わして、
遺族が住んでいた事にして事故物件ロンダリングをしてたみたいだが、
近隣の居住者から、
居住実態が無い事がばれるから、
実際に人を住まわせて事実を作ろうと言う訳だな。

住むところに困っている奴や、
オバケなんか怖くない!
って奴を使えば、
ロンダリングできる。

実は俺の知り合いも事故物件を売りに出していたんだが、
告示事項ありだし、
大島テルに記載されちゃって売れなくなってしまった。
もう何年も塩漬けになっている。

ロンダリングのやり方は他にも様々あるが、
物件の所有者にしてみたらいい迷惑だ。
近年素人の不動産投資が流行っているみたいだが、
素人が不動産に手を出すと、
時として事故物件にされたりして、
百戦錬磨の不動産屋ならロンダリングできるが、
素人じゃダメだろうな。
下手すりゃ借り入れの返済ができなくなって、
自分が事故物件バイトをする様になってしまうぞww。
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建て捨て住宅

こないだ知り合いの不動産屋から、
取引した建物に雨漏りがあったから見て欲しいと依頼があり、
現場確認しに行った。

その建物は築30年弱で、
大手有名ハウスメーカーが建築した注文住宅だった。
街中の3階建てで、
外壁はALCで屋根は陸屋根。
シート防水だ。

2階に出幅455、幅1820の申し訳程度のバルコニー。
3階にもサービスバルコニーが設置されていて、
これらもシート防水。

この建物は建築されてから1回だけ外壁塗装している様だが、
外壁塗装してから15年は経過している様だ。

雨漏りの原因は、
屋根と二箇所のバルコニーのシート防水に穴が開いている事だ。
そこから水が建物内に侵入し、
階下に雨漏りしたものだ。

職人と二人でこの建物を見て回ったんだが施工がひどい。
外壁のALCは凸凹。
普通外壁はツライチに張ってあるものだ。
所が件の建物は外壁が凸凹になっている。
まるで素人が張った様だ。

二階のリビングの窓が大きなコーナー出窓になっているんだが、
窓の片方の端に縦長の滑り出し窓が付いている。
当然窓を外から拭く事は出来ない。

問題にもなっているサービスバルコニーなんだが、
3階の洗面脱衣所の外に設けられていて、
洗面脱衣所にはこれまた小さな滑り出しの窓があるだけで、
サービスバルコニーに出られない。
ここに行くには、
外から長ハシゴを掛けないと行けない。
しかも隣の家とぴったりくっついていて、
境界にはフェンスが設けられているから、
フェンスを外して、
隣の家の敷地からハシゴを掛けないとハシゴが掛けられない。
サービスバルコニーの排水口が詰まったら
ゴミを取るのは大事になる。

屋上と言うか屋根と言うか、
そこに行くには普通の長ハシゴでは行けない。
3段の10m超のハシゴを掛けないと行けない。

先述した通り敷地の三方は隣の家との空間が80センチ程度しか無く、
前面道路からは、
6600Vが通電している電線が掛かっていて
ハシゴを掛ける十分な空間が無い。
こちらからもハシゴが掛けられない。
高所作業車もダメだ。
もし屋根にゆこうとしたら、
足場を架けるしか屋根に行けないのだ。

しかし屋根というか屋上には、
3階の部屋に設置されたエアコンの室外機が乗っているのだ。
電気屋はどうやって設置したんだ?
長ハシゴ掛けて決死隊で室外機を設置したのか?
不思議。

俺が建築計画を建てる時は、
将来のメンテナンスの事も考慮して計画を立てる。
件の建物はメンテナンスするのに、
高層建築物をメンテナンスする様に手間とカネが掛かる。
将来のメンテナンスについての配慮が丸で無いのだ。
これが某大手ハウスメーカーの注文住宅の建物だ。

この建物が建築された時期は、
バブルが崩壊した直後ぐらいで、
実住の不動産や建築にはバブル崩壊の影響は無い時期で、
3階建てと言う事もあって建築坪単価は、
100万円程度していたものと思われる。
坪単価100万円出してこの程度の建物だ。

さてこの建物、
取引上で大問題になっている。
買主は激怒していて場合によっては裁判も辞さない様だ。
果たしてどうなる事やら。

えせ同和

えせとは、偽物という意味だ。

同和というのがある。
同和というのは、かつてあった身分階層構造による差別で、
経済的、社会的、文化的に低い位置の身分を強いられ、
就職や婚姻などを妨げられるなど、
ひどい差別を受けた人たちで、
重大な人権問題だ。

えせ同和というのがある。
同和問題は怖いとか、ややこしいなどと誤った認識を利用して、
「同和に対する理解が足りない!」
などと因縁を付け、
高額な書籍を売りつけたりして、
同和問題を口実に会社、個人、役所などに
不当な利益や義務の無い事を要求するインチキ集団だ。
まぁ、堅気では無いわな。

こいつらの行為のせいで、
同和問題はより誤った認識を国民に植え付けている。
こいつらの行為は、
行政の許認可なども強要したりして、
適切な行政行為の障害にもなっている。

俺が独立して間もない頃、
こいつらから「書籍を買え!」などと散々来たが、
全て追い払った経験がある。
今は暴対法と条例があるから出来ない。
最近は姿を見なくなったと思っていたが、
不動産屋と組んで、
役所を脅して阿漕な事をしているのを、
数年前に確認している。

俺が学校を卒業して最初に不動産会社に就職し、
最初に放り込まれたのが「仕入・開発部」だった。
仕入開発部は建売用地の
計画・原価計算、土地の仕入契約から決済、開発行為、造成工事までを担当し、
仕入れた土地を建売用の商品に仕立てる所だ。
その後は建設部が建物を建て、
営業部が売る。

当然開発も仕入開発部の仕事なんだが、
俺が就職してまだ半年足らずの頃だったんだけど、
ある開発現場の完了検査に立ち会う事になった。

その現場は「既存宅地」の開発で、
20棟ぐらいの現場だったんだが、
後から聞いた話では、
既存権があったのは全体の半分ぐらいだったのを、
無理やり全部を既存宅地として開発許可を取った現場だった。

完了検査だと言うのに、
道路の舗装工事が終わっていなくて、
土建屋がアスファルト舗装を行っている最中に、
県の職員が来て完了検査が始まった。

立会者は俺の他に測量屋と風体の怪しい奴が二人。
どう見ても堅気では無いww。
完了検査なのにまだ工事が終わっていないなんてのは前代未聞で、
しかも、
土木事務所の役人の他に、
本庁のお偉いさんまで来ている。
そんな中、完了検査が行われて、
無事パスしたと言うから驚き。

当時俺は詳細な事は知らなかったが、
状況から、
「大人の事情がある現場なのだな。」
と言う認識を持った。

先述したとおり、
件の現場はいわゆるエセ同和(ヤクザ者)が間に入って
難癖つけて開発許可を取った物だった。
多分行政側は、
色んな難癖を付けられ屈して許可を出したのだろう。
だから完了検査の時に、
お偉いさんまで現場に来ていた。
特別扱いだったんだな。
土木の職員が騒いでいたが、
本庁のお偉いさんがそれを抑えて検査を終えた事から、
なんとなく構造は見えていた。
ちなみに騒いでいた土木の職員はその後、
山奥の職場へ飛ばされたと聞いた。

実はここまでが前書き。

こないだ起きた熱海の土石流災害。
土石流が起きた元は、
山の木が伐採されて造成されていた。
結構な急斜面で、
こんな場所を伐採して造成すれば、
がけ崩れが起きる可能性が高くなるのは目に見えている。

行政としては、
開発基準に適合していれば、
開発許可を出さなくてはならない。
だけど当該場所は急斜面で、
木を伐採して造成して、
何をしようとしていたのか?

役所で開発記録簿を取得して見れば内容が分かるんだが、
まだ大手マスコミはそこまで報道していない。
しかしネットでは、
その辺りの情報が出始めた。

ネットの情報によれば、
当該土地を開発したのは
自民党系の同和組織に関係する者が経営していた不動産会社。
2007年に当該地域で同社が所有する土地でがけ崩れが発生し、
熱海市の水道施設に支障が出る可能性があった。
その為熱海市は所有者の不動産会社に、
土砂の撤去を要請したが、
件の不動産会社は「自然災害なので応じられない。」
と返答し、
その事に関し熱海市職員が
「同和系列の会社なので、普通の会社とは違うので、
 その辺でそういうふうな回答が来たと思う。」
と議会で答弁していて議事録に残っている。

造成は、
基準の高さを倍以上超える盛土がされていて、
土砂の量も基準の倍近い量だったと言う情報がある。
また産廃が混入しているとの事で、
熱海市は是正を出していたが、
これも不動産会社は応じていない。

ここまで書けば何となく分かるだろう。
行政が指導しても「差別するのか!」とやられて、
気の弱い日本人はそれに屈してしまう。
また役人というのは議員に弱いものだ。
件の法人は自民党と太い繋がりがある。
益々萎縮する。

現在の所収者は件の不動産屋から土地を買い取ったもので、
「盛土されている事は知らなかった。」
と公言している。

そんな事が色々あって、
あの山は開発されて、
この度の土石流災害の一因になったのでは無いかと言う事だ。
ただし、
この度の土石流災害の発生原因が、
開発した事によるものかどうかについての因果関係は明らかになっていない。
開発していなくても、
土石流は起きていたかも知れない。
だけど開発していなければ、
流出した土砂の量はその分、
少なくて済んだのは間違えなさそうだ。

大手マスコミは、
背景についての報道は及び腰だ。
同和関係だし、
自民党とつながりがあるからなのだろう。

その内、
骨のある奴が全てを暴くだろう。
既にその動きが出始めている。
背景に何があったのか、
それを暴かなければ、
犠牲になった人たちが浮かばれない。

踏み倒し

こないだ知り合いから嫌な話を聞いた。

景気が悪くなると、
下職に仕事させたにもかかわらず、
カネを支払わずに逃げる輩が横行する。

知り合いがそんな奴に引っかかってしまった。

その人は室内解体専門の職人で独り親方だ。
丁寧で腕が良いから、
あちこちから声が掛かって引っ張りだこだ。

その知り合いが昨年、
下請けの奴に頼まれて、
室内解体の仕事を請け負った。
知り合いは孫請になる。
その仕事中、
ちょっとした事故があって大けがをした。

そしたら下請けの奴、
「治療費は全額ウチが保証するから労災にしないでくれ!」
と頼んで来たのだそうだ。

知り合いは下請けは知らない奴でも無いし、
「そうか。」
と思って言う様にした。

所がだ。
下請けは治療費は勿論、
仕事代も支払わず、
どこかに逃げてしまった。

知り合いは大けがした上に工賃も貰えず、
踏んだり蹴ったりだ。

この場合、
仕事中の事故なので労災になるんだが、
下請けは保険に入っていなかった様で、
一人親方の知り合いも保険に入っていなかった。
元請けはどうなっているのか知らない。

職人の世界では昔から
「怪我と弁当自分持ち」
と言う言葉があるが、
正にその通りになってしまった。

知り合いが俺のところに相談に来たんだが、
元請けと下請けとの関係がどうなっているのか良くわからないし、
知り合いは元請けが誰なのかわからないみたいだし、
下請けは逃げちゃって行方不明だ。

とりあえず労基署に連絡をして、
相談する事を薦めた。
その後どうなるかはこれからだ。

また知り合いには、
一人親方でも保険があるから、
加入する事を薦めた。

この件、
簡単には解決できないだろうな。
労災は何とかできたとしても、
請負代金については、
下請けはカネが無くて逃げちゃっていて、
たとえ裁判で勝っても、
無い袖は振れなくて、
高い弁護士費用が負担になってしまうから、
泣き寝入りになってしまうのだろう。

気の毒としか言いようが無い。

無用の長物ソーラー発電

オール電化住宅が普及して久しい。
俺は以前から、
住宅のエネルギーは分散した方が良いと提唱して来た。
その事が現実的になってきた。

オール電化住宅が盛んに建築されたのは
今から20年程前だ。
当時は電力会社が買い取る電気料金も高く、
投資した分を取り返せるとしてアピールされた。

オール電化住宅が普及した背景には、
当時電力自由化によって、
大きな工場などは自家発電や、
安い電力会社から電力を購入する事によって、
既存の電力会社が大口顧客を失った。
それをカバーする為に大手電力会社が家電メーカと組んで、
オール電化住宅を普及させたという背景がある。

そうして建てられたオール電化住宅は、
そろそろ築20年を迎える。
電気製品と言うのは経年劣化する。
良く持って20年程度だ。
基盤のコンデンサの液漏れなんてのが原因になる。

電気の知識がある人ならば、
秋葉原辺りで部品を買って来て直せるが、
素人はそうはゆかない。
工事会社に頼んで修理する事になる。

さてオール電化住宅なんだが、
屋根のソーラーパネルで発電した電気は、
パワーコンデショナーと言われる機械で調整される。
このパワーコンデショナーの耐久性は、
15年から20年と言われていて、
ぼちぼちパワーコンデショナーが壊れる家が出始めたのだ。

製造から20年も経っているから、
当時と同じ機種は無い。
それに相当する機種に交換する必要がある。

交換するのはパワーコンデショナーだけでなく、
室内のリモコンユニットや、
配線も交換しなければならず、
その総額、
工賃も含めると60万~70万円程度になる。

当初高かった売電価格だが、
やっと元が取れたと思ったら、
パワーコンデショナーが壊れて元の木阿弥。
それどころか高額な修理費が必要になる。

家を買った頃、
小さかった子供たちは大きくなって、
丁度大学生ぐらいになっている。
大学生はカネが掛かる。
そんな所に高額な修理費がのしかかる。
修理費が捻出できなければ、
屋根に乗せたソーラーパネルは無用の長物だ。

それから、
ソーラーパネル屋によれば、
ソーラーパネルも20年ぐらいするとダメになってくるそうだ。
発電能力が落ちるんだな。
特に外国製のパネルがダメで、
その交換は足場を組まなければならず、
大変な事になるんだそうだ。
結局高いカネを出して取り付けたソーラーユニットは元が取れず、
家電メーカーと電気工事屋、電力会社を潤しただけで、
更に建物としては、
屋根に重量物を載せて負担を掛けただけで、
あまりメリットは無いと言う事だ。

東日本大震災の時は計画停電により、
オール電化住宅の脆弱性が露わになった。
唯一のエネルギーである電力を失ったオール電化住宅は、
只の箱になった。

今は売電価格が下がり元を取る事はできず、
各メーカーは災害に備えて蓄電池を薦めているんだが、
その蓄電池の価格は高くて、
安いモデルでも200万円程度はする。
それに工事費が上乗せされる。

また蓄電池は当然ながら水に弱く、
水害が発生する地域では一発でダメになる。
勿論寿命も有る。

そんな訳で今やソーラーパネルは、
電気代金の元を取る事はできず、
災害に備えるにしても、
高額な工事費が必要となり、
コストパフォーマンスとしては全く合わない。

200万円以上する蓄電池を設置するのなら、
小型発電機を2~3台購入した方が遥かに安い。

そんな訳で今から20年ぐらい前に設置した
ソーラーパネルとパワーコンデショナーは、
次々に壊れ始める事になり、
修理費用を捻出する事ができず、
無用の長物に成り下がるか、
大枚はたいで修理するかで、
結局オール電化住宅は、
どちらも「ご苦労さん。」と言う事だ。