忍者ブログ

建て捨て住宅

こないだ知り合いの不動産屋から、
取引した建物に雨漏りがあったから見て欲しいと依頼があり、
現場確認しに行った。

その建物は築30年弱で、
大手有名ハウスメーカーが建築した注文住宅だった。
街中の3階建てで、
外壁はALCで屋根は陸屋根。
シート防水だ。

2階に出幅455、幅1820の申し訳程度のバルコニー。
3階にもサービスバルコニーが設置されていて、
これらもシート防水。

この建物は建築されてから1回だけ外壁塗装している様だが、
外壁塗装してから15年は経過している様だ。

雨漏りの原因は、
屋根と二箇所のバルコニーのシート防水に穴が開いている事だ。
そこから水が建物内に侵入し、
階下に雨漏りしたものだ。

職人と二人でこの建物を見て回ったんだが施工がひどい。
外壁のALCは凸凹。
普通外壁はツライチに張ってあるものだ。
所が件の建物は外壁が凸凹になっている。
まるで素人が張った様だ。

二階のリビングの窓が大きなコーナー出窓になっているんだが、
窓の片方の端に縦長の滑り出し窓が付いている。
当然窓を外から拭く事は出来ない。

問題にもなっているサービスバルコニーなんだが、
3階の洗面脱衣所の外に設けられていて、
洗面脱衣所にはこれまた小さな滑り出しの窓があるだけで、
サービスバルコニーに出られない。
ここに行くには、
外から長ハシゴを掛けないと行けない。
しかも隣の家とぴったりくっついていて、
境界にはフェンスが設けられているから、
フェンスを外して、
隣の家の敷地からハシゴを掛けないとハシゴが掛けられない。
サービスバルコニーの排水口が詰まったら
ゴミを取るのは大事になる。

屋上と言うか屋根と言うか、
そこに行くには普通の長ハシゴでは行けない。
3段の10m超のハシゴを掛けないと行けない。

先述した通り敷地の三方は隣の家との空間が80センチ程度しか無く、
前面道路からは、
6600Vが通電している電線が掛かっていて
ハシゴを掛ける十分な空間が無い。
こちらからもハシゴが掛けられない。
高所作業車もダメだ。
もし屋根にゆこうとしたら、
足場を架けるしか屋根に行けないのだ。

しかし屋根というか屋上には、
3階の部屋に設置されたエアコンの室外機が乗っているのだ。
電気屋はどうやって設置したんだ?
長ハシゴ掛けて決死隊で室外機を設置したのか?
不思議。

俺が建築計画を建てる時は、
将来のメンテナンスの事も考慮して計画を立てる。
件の建物はメンテナンスするのに、
高層建築物をメンテナンスする様に手間とカネが掛かる。
将来のメンテナンスについての配慮が丸で無いのだ。
これが某大手ハウスメーカーの注文住宅の建物だ。

この建物が建築された時期は、
バブルが崩壊した直後ぐらいで、
実住の不動産や建築にはバブル崩壊の影響は無い時期で、
3階建てと言う事もあって建築坪単価は、
100万円程度していたものと思われる。
坪単価100万円出してこの程度の建物だ。

さてこの建物、
取引上で大問題になっている。
買主は激怒していて場合によっては裁判も辞さない様だ。
果たしてどうなる事やら。
PR