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いい加減な不動産屋揃い

ちょっと呆れるというか、
驚くべき事があった。

何度も書いているが、
俺は学校を卒業してこの業界に入って最初に放り込まれたのが
仕入れ開発部だった。
そこで不動産の基礎を徹底的に叩き込まれた。
なぜ徹底的に叩き込まれたかと言うと、
建売屋は仕入れで失敗すると、
その後取り返しがつかなくなるからだ。
だから不動産の基礎を徹底的に叩き込まれ、
それが今でも生きていて、
ウチの会社の強みになっている。
これまで事故やトラブルを起こした事は一度も無い。

ある古いマンションの仲介取引をした。
ウチは客づけの仲介業者だ。
そのマンションはかなり古いマンションで、
マンションに関する法律や
取引の決まり事が今程ちゃんとしていなかった頃の物件だ。

重説を書くべく調べていたら、
対象物件の登記面積と、
規約と調査書に記載されている管理面積が大幅に違う。

調べてみたら、
指定された地番以外にも、
当該マンション組合法人が所有する土地が出て来た。
それでも面積の際は埋まらない。
他にも土地を持っているのか?

その事を売主側の不動産屋に問い合わせたが、
売主側の不動産屋は全く承知していないとの事。
また調べる気も無いみたいだ。

契約日は決まっているし、
どうやら売主側の不動産屋は知識が無い様だから、
ここでグダグダ文句言っても時間が掛かるだけの様だから、
こっちで管理会社に問い合わせて調べてもらった。

そしたら、
規約の記載間違いだった事が判明した。
しかも、
この件での問い合わせくくを受けたのは初めての事で、
管理会社も間違いに気が付いていなかった。

永年多くの不動産屋が当該マンションを売買しているはずなのに、
誰も気が付かなかったのも驚き。
みんなどこを見て取引していたんだ?

更に規約のどこを読み込んでも、
当該マンション組合法人が所有する土地のあつかいについての記載が無い。
その事も管理会社に指摘した所、
管理会社から管理組合に連絡し誤りを訂正する事と、
件の土地のあつかいについて、
総会で決議するとの回答をもらった。

更に当該マンションの敷地の所有権も、
数分の一の所有者しか所有権登記されておらず、
登記されている所有者の持ち分は、
建物の面積割合と同じ持分で、
元の所有者の所有権は現在も残っていて、
その辺りの取り決めも規約には記載が無い。
もしも土地所有者が所有権に対して何らかの主張をした場合はどうなるのか?
もうめちゃくちゃになっている物件だった。

どうしてそうなったのか経緯の真実は全く分からないが、
土地の権利関係が明確になっていないのは事実で、
これまでその事が問題になっていないため是正されず、
現在に至っていると言う事なのだろう。

本来であれば、
居住者全員が持分割合で土地の所有権登記をしなければならないんだが、
登記していない所有者が大半で、
登記していない所有者は、
法定地上権を持っていると言う事なのだろう。

当該マンションの法的背景は実に中途半端になっているが、
今の所問題が起きていないから、
何となくそのままになっているという、
実にヤバいマンションなんだな。

重説でそこまで説明しないが、
将来的には色々と目に見えない問題を含んでいるマンションで、
一応今回の取引で、
ウチに責任が及ばない様に重説を作成しておこうと思う。

それにしてもこれまで件のマンションを売買してきた不動産屋は、
俺から言わせれば、
いい加減な不動産屋揃いだったと言う事だ。
不動産業界なんてのはこんなもので、
一般消費者諸君は、
古いマンションを購入する際は気を付けた方が良いぞ。

と言っても一般素人は気を付けようが無くて、
運任せと言った所だな。
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フルコミ営業マン死にそう

知り合いのフルコミッションの不動産営業マンが、
仕事が出来なくて死にそうだ。

件のフルコミッションの不動産営業マンは、
仕事が出来ないと収入ゼロだ。
個人自営業者と同じ。

中華コロナ騒動で客も引きこもり。
会社も開店休業状態で全く仕事になっていない。

件の営業マンは以前、
大手デベロッパーに居て、
会社の看板で仕事をしていたのに勘違いしていて、
自分は仕事が出来ると思い込んで、
偉そうな態度を取っていた。

ところが会社と揉めて、
会社を飛び出してフリーになって、
初めてその厳しさを知った様だ。
バカな奴。

元々少子高齢化と消費増税で不動産市場は不況に陥っていて、
ただでさえ苦しい状況なのに、
中華コロナで止めを刺されようとしている。
顔色が随分悪いみたいだ。

今首都圏郊外の不動産屋は、
内容が悪い不動産屋は存亡の危機に瀕している所が多い。
体力がある不動産屋は耐えられるが、
フルコミッションの営業マンも含めて、
体力の無い不動産屋はこれを機にダメになってしまうのだろう。

ウチも吹けば飛ぶような零細不動産屋なんだが、
損益分岐点がグッと低くて、
内部留保もまぁまぁ有る。
そしてありがたい事に、
こんな状況の中、
仕事を依頼してくれるクライアントがあるから有難い。

自慢する訳ではないが、
ウチがこれまで誠実にコツコツ仕事をしてきた賜物だと思っている。
相手を騙して自分だけ儲けようなんてのは直ぐにバレて、
次から仕事を回してもらえなくなる。
この業界、
信用が第一だから、
そこん所を間違えたら、
一時は良いかもしれないが、
長続きはしない。

人生長いんだから、
一時良くてもダメだ。
だからウチは創業当時から、
細く長くやって行ければいいやと思っているから、
大儲けはしないが、大損もしない。
件の営業マンは、
他人を騙して自分だけ儲けようと言うタイプ。
だから困った時に誰も手を差し伸べない。

ベテランの営業マンが四苦八苦している常態なのに、
物事を簡単に考えている営業マンが食える訳がない。
奴はこれから相当しょっぱい思いをするのだろうな。

事故物件ロンダリング

ちょっと前に、
知り合いの不動産屋から事故物件の相場について聞かれた。
何でも事故物件を専任媒介で扱うらしい。

その不動産屋は、
エンドユーザーの営業をやっていて独立した不動産屋で人が良い。
俺みたいな海千山千の百戦錬磨の不動産屋ではない。
良く言えば良心的な不動産屋だ。

事故物件の相場なんて無い。
ってか売れない。
でも料理の方法はある。
ただし時間は掛かる。

話を聞けば、
「安売りはしたく無い。」
と言う。
俺は知り合いの不動産屋に
「事故物件の相場などは無い。
 やってみないと分からぬし、
 そのまま売るのは相当難しい。」
と答えて置いた。

そしたらそれから二週間ほどして、
「事故物件を売ってくれ。」
と販売図面を持ってきた。
もちろん備考欄に
「。※心理的瑕疵あり。」
と記載されていた。
価格は相場よりも気持ち安い程度だ。

首都圏郊外の一戸建中古で、
事故物件をストレートに売るというのは、
余程運が良く無ければ売れない。

都心で売り手市場の場所であれば売れるだろうが、
買い手市場の首都圏郊外の住宅地で、
しかも購入者が一般エンドユーザーでは相当難しい。
しかもそんなに安くない。

しかし売る方法はある。
不動産ロンダリングするのだ。
ただし時間が掛かる。

事故物件を直ぐに売らないで賃貸に出すのだ。
もちろん外国人の居住も可にしてちょっと割安の家賃設定にしておく。
ただし契約期間を設けて置く。
期間設定の理由は、
所有者が使うとしておけば良い。

一般の日本人は事故物件を借りようとは思わないが、
外国人は案外そういう所は気にしない。
できれば技能研修などで来日している外国人ならばぴったりだ。
契約者は技能研修者を受け入れる企業になるからだ。
いわば社宅として借りる訳で、
もちろん契約者には事故物件である事を説明する。
しかし企業が入居者にその事を説明するかどうかは
こっちの知ったこっちゃない。

最初外国人に入居してもらう。
もちろん心理的瑕疵について説明する。
1~2年ぐらい住んでもらったら、
今度は日本人に入居してもらう。
今度は心理的瑕疵の説明はしない。
なぜなら、
以前の入居者が心理的瑕疵の要因となった人とは無関係の人が居住しているからだ。

ふた世帯目の入居者が退出したら販売に掛かる。
もちろん心理的瑕疵についての記載はしなくても大丈夫だ。
なぜなら、
ふた世帯もそこに居住していた実績があるからだ。

念を入れるのならば、
事故があった事を知らない不動産屋に専任を任せればなお良し。
もちろん知っていたとしても知らないふりをしていれば良い。

手間と時間は掛かるが、
こうすれば事故物件もロンダリングして一般の物件として売却ができる。
直ぐには売れないが、
売却するまでの間、
家賃収入も入って来るから損はしない。

知り合いの不動産屋はロンダリングをせずに、
ストレートに物件を広告に出してしまった。
これは一番まずいやり方だ。
こうしてしまった事で、
多くの不動産屋が件の物件は事故物件だと言う事を認識してしまった。
「事故物件だとは知らなかった。」
と言えなくなってしまったのだ。

事故物件は絶対に売れないと言う事は無い。
中には心理的瑕疵を気にしない人もいる。
ただし殆どの人は嫌がる。
少子高齢化、
消費増税、
中華コロナで経済が低迷している現状で、
事故物件をストレートに売る事は相当運がよく無ければ売れない。

件の物件、
この様な状況で一番まずい売り方をしてしまったという事だ。

パワービルダー コロナでいっぱいいっぱい

大手パワービルダー。
消費増税と少子高齢化の影響を受けて物件が売れない。
マーケットの縮小に合わせて、
企業規模も少しづつだが縮小している。

そんな所に中華コロナショックだ。
建築部材が入らなくて工事が進まない。
デベロッパーとしては、
投資した資金を一日でも早く回収して回転したい。
ところが建築工事が進まなければ、
資金回収に時間が掛かってしまう。

大手パワービルダーは、
折角仕入れた物件を、
手付倍返しにして契約を破棄しているというのだ。
それは、
前述した通り、
中華コロナの影響で、
中国で生産されている建築部材が入らなくて、
工事がストップしてしまい、
いつ改善されるか分からないため、
土地を仕入れても、
いつ建築ができて、
いつ回収できるのか目処が立たないから、
手付倍返ししてでも、
契約を破棄した方が安全だと言う判断なのだろう。
つまり
それだけ資金繰りが切迫していると言う事だ。

俺は不動産屋を30年以上やっているが、
こんな話を聞いたのは初めてだ。
如何に不動産・建設業界が崖っぷちに来ているかと言う事だ。

堅気には分からないだろうが、
今不動産・建築業界はリーマンショックの時のような危機に見舞われている。
ウチみたいに零細企業で無借金経営の所は、
食える分だけあれば良いから何とか凌げるが、
図体がでかくて経費が掛かる企業にとっては、
この状況はかなりつらい。
実際、
廃業した不動産屋もある。

無事廃業できた所は良い。
借金抱えて破たんする所も出始めている。

中華コロナ騒動は、
夏ごろまでには落ち着くと思われるが、
この半年近くの間、
息が止まった不動産・建築屋は相当辛い。
体力の無い所から破たんして行くのだろう。

大手ビルダーが仕入れた土地を、
手付倍返ししてでも契約を破棄する程、
業界は厳しくなっていると言う事だ。

大手ビルダーがしょっぱい

大手建売ビルダーもしょっぱくなって来た。

大手建売ビルダーは、
数年前からしょっぱくなって、
大規模な人事異動や、
支店の統廃合などをしているんだが、
また人事異動があって、
成績が悪い奴を中心に動かした様だ。

そしてなによりしょっぱくなったと感じるのは、
完成物件の場合、
契約から決済まで1ヶ月でやってもらいたいと要請された。
つまり、
資金繰りが厳しくなってきていると言う事だ。

だから、
住宅ローンの事前審査は勿論、
契約と同時に本申込ができる様に、
予め準備しておかなければならんと言う事だ。

前にも書いたが、
仕入れも、
駅近くの確実に売れる物件じゃ無いと、
仕入しなくなっていて、
図体がでかいから大丈夫かと言えば、
直ぐに破たんする事はないだろうが、
事業規模は確実に縮小する。

当然社員は末端から切られる事になり、
大手に就職しているから安泰と言う事は無さそうだ。

ウチみたいな零細企業は借金も無く、
食えればいいやぐらいのスタンスでやっている所としては、
これまで傍若無人に振舞っていた大手がおとなしくなる事は
歓迎すべき事だ。

上り調子の時は、
無敵な勢いで拡大してい行くが、
一旦縮小に向かったら企業は一気に厳しくなる。
図体がでかい分、
経費が掛かって損益分岐点を下げられない。
また経費を直ぐにスパッと下げる事ができない。
それが重荷に担って、
縮小に向かうと大手は一気に弱る。

大手は決算期なのに、
コロナの影響で工事が進まず、
引渡しができない。
帳簿上は売掛金で売り上げ計上するんだろうが、
資金繰りが狂う事になって、
その面でも厳しい状況が生まれるのだろう。

今年、不動産・建設業界は、
リーマンショック並みに厳しくなる可能性が高い。
ただし、
金融システムが崩壊していないから、
その辺りが唯一の救いなんだが、
金融機関も慎重になっているから、
安心はしていられない。

ウチみたいな無借金経営の零細企業は直撃弾は喰らわないが、
間接的には影響があるだろうから、
今から準備をしておいた方が良いだろう。