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踏み倒し

こないだ知り合いから嫌な話を聞いた。

景気が悪くなると、
下職に仕事させたにもかかわらず、
カネを支払わずに逃げる輩が横行する。

知り合いがそんな奴に引っかかってしまった。

その人は室内解体専門の職人で独り親方だ。
丁寧で腕が良いから、
あちこちから声が掛かって引っ張りだこだ。

その知り合いが昨年、
下請けの奴に頼まれて、
室内解体の仕事を請け負った。
知り合いは孫請になる。
その仕事中、
ちょっとした事故があって大けがをした。

そしたら下請けの奴、
「治療費は全額ウチが保証するから労災にしないでくれ!」
と頼んで来たのだそうだ。

知り合いは下請けは知らない奴でも無いし、
「そうか。」
と思って言う様にした。

所がだ。
下請けは治療費は勿論、
仕事代も支払わず、
どこかに逃げてしまった。

知り合いは大けがした上に工賃も貰えず、
踏んだり蹴ったりだ。

この場合、
仕事中の事故なので労災になるんだが、
下請けは保険に入っていなかった様で、
一人親方の知り合いも保険に入っていなかった。
元請けはどうなっているのか知らない。

職人の世界では昔から
「怪我と弁当自分持ち」
と言う言葉があるが、
正にその通りになってしまった。

知り合いが俺のところに相談に来たんだが、
元請けと下請けとの関係がどうなっているのか良くわからないし、
知り合いは元請けが誰なのかわからないみたいだし、
下請けは逃げちゃって行方不明だ。

とりあえず労基署に連絡をして、
相談する事を薦めた。
その後どうなるかはこれからだ。

また知り合いには、
一人親方でも保険があるから、
加入する事を薦めた。

この件、
簡単には解決できないだろうな。
労災は何とかできたとしても、
請負代金については、
下請けはカネが無くて逃げちゃっていて、
たとえ裁判で勝っても、
無い袖は振れなくて、
高い弁護士費用が負担になってしまうから、
泣き寝入りになってしまうのだろう。

気の毒としか言いようが無い。
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無用の長物ソーラー発電

オール電化住宅が普及して久しい。
俺は以前から、
住宅のエネルギーは分散した方が良いと提唱して来た。
その事が現実的になってきた。

オール電化住宅が盛んに建築されたのは
今から20年程前だ。
当時は電力会社が買い取る電気料金も高く、
投資した分を取り返せるとしてアピールされた。

オール電化住宅が普及した背景には、
当時電力自由化によって、
大きな工場などは自家発電や、
安い電力会社から電力を購入する事によって、
既存の電力会社が大口顧客を失った。
それをカバーする為に大手電力会社が家電メーカと組んで、
オール電化住宅を普及させたという背景がある。

そうして建てられたオール電化住宅は、
そろそろ築20年を迎える。
電気製品と言うのは経年劣化する。
良く持って20年程度だ。
基盤のコンデンサの液漏れなんてのが原因になる。

電気の知識がある人ならば、
秋葉原辺りで部品を買って来て直せるが、
素人はそうはゆかない。
工事会社に頼んで修理する事になる。

さてオール電化住宅なんだが、
屋根のソーラーパネルで発電した電気は、
パワーコンデショナーと言われる機械で調整される。
このパワーコンデショナーの耐久性は、
15年から20年と言われていて、
ぼちぼちパワーコンデショナーが壊れる家が出始めたのだ。

製造から20年も経っているから、
当時と同じ機種は無い。
それに相当する機種に交換する必要がある。

交換するのはパワーコンデショナーだけでなく、
室内のリモコンユニットや、
配線も交換しなければならず、
その総額、
工賃も含めると60万~70万円程度になる。

当初高かった売電価格だが、
やっと元が取れたと思ったら、
パワーコンデショナーが壊れて元の木阿弥。
それどころか高額な修理費が必要になる。

家を買った頃、
小さかった子供たちは大きくなって、
丁度大学生ぐらいになっている。
大学生はカネが掛かる。
そんな所に高額な修理費がのしかかる。
修理費が捻出できなければ、
屋根に乗せたソーラーパネルは無用の長物だ。

それから、
ソーラーパネル屋によれば、
ソーラーパネルも20年ぐらいするとダメになってくるそうだ。
発電能力が落ちるんだな。
特に外国製のパネルがダメで、
その交換は足場を組まなければならず、
大変な事になるんだそうだ。
結局高いカネを出して取り付けたソーラーユニットは元が取れず、
家電メーカーと電気工事屋、電力会社を潤しただけで、
更に建物としては、
屋根に重量物を載せて負担を掛けただけで、
あまりメリットは無いと言う事だ。

東日本大震災の時は計画停電により、
オール電化住宅の脆弱性が露わになった。
唯一のエネルギーである電力を失ったオール電化住宅は、
只の箱になった。

今は売電価格が下がり元を取る事はできず、
各メーカーは災害に備えて蓄電池を薦めているんだが、
その蓄電池の価格は高くて、
安いモデルでも200万円程度はする。
それに工事費が上乗せされる。

また蓄電池は当然ながら水に弱く、
水害が発生する地域では一発でダメになる。
勿論寿命も有る。

そんな訳で今やソーラーパネルは、
電気代金の元を取る事はできず、
災害に備えるにしても、
高額な工事費が必要となり、
コストパフォーマンスとしては全く合わない。

200万円以上する蓄電池を設置するのなら、
小型発電機を2~3台購入した方が遥かに安い。

そんな訳で今から20年ぐらい前に設置した
ソーラーパネルとパワーコンデショナーは、
次々に壊れ始める事になり、
修理費用を捻出する事ができず、
無用の長物に成り下がるか、
大枚はたいで修理するかで、
結局オール電化住宅は、
どちらも「ご苦労さん。」と言う事だ。

いい加減な不動産屋揃い

ちょっと呆れるというか、
驚くべき事があった。

何度も書いているが、
俺は学校を卒業してこの業界に入って最初に放り込まれたのが
仕入れ開発部だった。
そこで不動産の基礎を徹底的に叩き込まれた。
なぜ徹底的に叩き込まれたかと言うと、
建売屋は仕入れで失敗すると、
その後取り返しがつかなくなるからだ。
だから不動産の基礎を徹底的に叩き込まれ、
それが今でも生きていて、
ウチの会社の強みになっている。
これまで事故やトラブルを起こした事は一度も無い。

ある古いマンションの仲介取引をした。
ウチは客づけの仲介業者だ。
そのマンションはかなり古いマンションで、
マンションに関する法律や
取引の決まり事が今程ちゃんとしていなかった頃の物件だ。

重説を書くべく調べていたら、
対象物件の登記面積と、
規約と調査書に記載されている管理面積が大幅に違う。

調べてみたら、
指定された地番以外にも、
当該マンション組合法人が所有する土地が出て来た。
それでも面積の際は埋まらない。
他にも土地を持っているのか?

その事を売主側の不動産屋に問い合わせたが、
売主側の不動産屋は全く承知していないとの事。
また調べる気も無いみたいだ。

契約日は決まっているし、
どうやら売主側の不動産屋は知識が無い様だから、
ここでグダグダ文句言っても時間が掛かるだけの様だから、
こっちで管理会社に問い合わせて調べてもらった。

そしたら、
規約の記載間違いだった事が判明した。
しかも、
この件での問い合わせくくを受けたのは初めての事で、
管理会社も間違いに気が付いていなかった。

永年多くの不動産屋が当該マンションを売買しているはずなのに、
誰も気が付かなかったのも驚き。
みんなどこを見て取引していたんだ?

更に規約のどこを読み込んでも、
当該マンション組合法人が所有する土地のあつかいについての記載が無い。
その事も管理会社に指摘した所、
管理会社から管理組合に連絡し誤りを訂正する事と、
件の土地のあつかいについて、
総会で決議するとの回答をもらった。

更に当該マンションの敷地の所有権も、
数分の一の所有者しか所有権登記されておらず、
登記されている所有者の持ち分は、
建物の面積割合と同じ持分で、
元の所有者の所有権は現在も残っていて、
その辺りの取り決めも規約には記載が無い。
もしも土地所有者が所有権に対して何らかの主張をした場合はどうなるのか?
もうめちゃくちゃになっている物件だった。

どうしてそうなったのか経緯の真実は全く分からないが、
土地の権利関係が明確になっていないのは事実で、
これまでその事が問題になっていないため是正されず、
現在に至っていると言う事なのだろう。

本来であれば、
居住者全員が持分割合で土地の所有権登記をしなければならないんだが、
登記していない所有者が大半で、
登記していない所有者は、
法定地上権を持っていると言う事なのだろう。

当該マンションの法的背景は実に中途半端になっているが、
今の所問題が起きていないから、
何となくそのままになっているという、
実にヤバいマンションなんだな。

重説でそこまで説明しないが、
将来的には色々と目に見えない問題を含んでいるマンションで、
一応今回の取引で、
ウチに責任が及ばない様に重説を作成しておこうと思う。

それにしてもこれまで件のマンションを売買してきた不動産屋は、
俺から言わせれば、
いい加減な不動産屋揃いだったと言う事だ。
不動産業界なんてのはこんなもので、
一般消費者諸君は、
古いマンションを購入する際は気を付けた方が良いぞ。

と言っても一般素人は気を付けようが無くて、
運任せと言った所だな。

フルコミ営業マン死にそう

知り合いのフルコミッションの不動産営業マンが、
仕事が出来なくて死にそうだ。

件のフルコミッションの不動産営業マンは、
仕事が出来ないと収入ゼロだ。
個人自営業者と同じ。

中華コロナ騒動で客も引きこもり。
会社も開店休業状態で全く仕事になっていない。

件の営業マンは以前、
大手デベロッパーに居て、
会社の看板で仕事をしていたのに勘違いしていて、
自分は仕事が出来ると思い込んで、
偉そうな態度を取っていた。

ところが会社と揉めて、
会社を飛び出してフリーになって、
初めてその厳しさを知った様だ。
バカな奴。

元々少子高齢化と消費増税で不動産市場は不況に陥っていて、
ただでさえ苦しい状況なのに、
中華コロナで止めを刺されようとしている。
顔色が随分悪いみたいだ。

今首都圏郊外の不動産屋は、
内容が悪い不動産屋は存亡の危機に瀕している所が多い。
体力がある不動産屋は耐えられるが、
フルコミッションの営業マンも含めて、
体力の無い不動産屋はこれを機にダメになってしまうのだろう。

ウチも吹けば飛ぶような零細不動産屋なんだが、
損益分岐点がグッと低くて、
内部留保もまぁまぁ有る。
そしてありがたい事に、
こんな状況の中、
仕事を依頼してくれるクライアントがあるから有難い。

自慢する訳ではないが、
ウチがこれまで誠実にコツコツ仕事をしてきた賜物だと思っている。
相手を騙して自分だけ儲けようなんてのは直ぐにバレて、
次から仕事を回してもらえなくなる。
この業界、
信用が第一だから、
そこん所を間違えたら、
一時は良いかもしれないが、
長続きはしない。

人生長いんだから、
一時良くてもダメだ。
だからウチは創業当時から、
細く長くやって行ければいいやと思っているから、
大儲けはしないが、大損もしない。
件の営業マンは、
他人を騙して自分だけ儲けようと言うタイプ。
だから困った時に誰も手を差し伸べない。

ベテランの営業マンが四苦八苦している常態なのに、
物事を簡単に考えている営業マンが食える訳がない。
奴はこれから相当しょっぱい思いをするのだろうな。

事故物件ロンダリング

ちょっと前に、
知り合いの不動産屋から事故物件の相場について聞かれた。
何でも事故物件を専任媒介で扱うらしい。

その不動産屋は、
エンドユーザーの営業をやっていて独立した不動産屋で人が良い。
俺みたいな海千山千の百戦錬磨の不動産屋ではない。
良く言えば良心的な不動産屋だ。

事故物件の相場なんて無い。
ってか売れない。
でも料理の方法はある。
ただし時間は掛かる。

話を聞けば、
「安売りはしたく無い。」
と言う。
俺は知り合いの不動産屋に
「事故物件の相場などは無い。
 やってみないと分からぬし、
 そのまま売るのは相当難しい。」
と答えて置いた。

そしたらそれから二週間ほどして、
「事故物件を売ってくれ。」
と販売図面を持ってきた。
もちろん備考欄に
「。※心理的瑕疵あり。」
と記載されていた。
価格は相場よりも気持ち安い程度だ。

首都圏郊外の一戸建中古で、
事故物件をストレートに売るというのは、
余程運が良く無ければ売れない。

都心で売り手市場の場所であれば売れるだろうが、
買い手市場の首都圏郊外の住宅地で、
しかも購入者が一般エンドユーザーでは相当難しい。
しかもそんなに安くない。

しかし売る方法はある。
不動産ロンダリングするのだ。
ただし時間が掛かる。

事故物件を直ぐに売らないで賃貸に出すのだ。
もちろん外国人の居住も可にしてちょっと割安の家賃設定にしておく。
ただし契約期間を設けて置く。
期間設定の理由は、
所有者が使うとしておけば良い。

一般の日本人は事故物件を借りようとは思わないが、
外国人は案外そういう所は気にしない。
できれば技能研修などで来日している外国人ならばぴったりだ。
契約者は技能研修者を受け入れる企業になるからだ。
いわば社宅として借りる訳で、
もちろん契約者には事故物件である事を説明する。
しかし企業が入居者にその事を説明するかどうかは
こっちの知ったこっちゃない。

最初外国人に入居してもらう。
もちろん心理的瑕疵について説明する。
1~2年ぐらい住んでもらったら、
今度は日本人に入居してもらう。
今度は心理的瑕疵の説明はしない。
なぜなら、
以前の入居者が心理的瑕疵の要因となった人とは無関係の人が居住しているからだ。

ふた世帯目の入居者が退出したら販売に掛かる。
もちろん心理的瑕疵についての記載はしなくても大丈夫だ。
なぜなら、
ふた世帯もそこに居住していた実績があるからだ。

念を入れるのならば、
事故があった事を知らない不動産屋に専任を任せればなお良し。
もちろん知っていたとしても知らないふりをしていれば良い。

手間と時間は掛かるが、
こうすれば事故物件もロンダリングして一般の物件として売却ができる。
直ぐには売れないが、
売却するまでの間、
家賃収入も入って来るから損はしない。

知り合いの不動産屋はロンダリングをせずに、
ストレートに物件を広告に出してしまった。
これは一番まずいやり方だ。
こうしてしまった事で、
多くの不動産屋が件の物件は事故物件だと言う事を認識してしまった。
「事故物件だとは知らなかった。」
と言えなくなってしまったのだ。

事故物件は絶対に売れないと言う事は無い。
中には心理的瑕疵を気にしない人もいる。
ただし殆どの人は嫌がる。
少子高齢化、
消費増税、
中華コロナで経済が低迷している現状で、
事故物件をストレートに売る事は相当運がよく無ければ売れない。

件の物件、
この様な状況で一番まずい売り方をしてしまったという事だ。