忍者ブログ

無用の長物ソーラー発電

オール電化住宅が普及して久しい。
俺は以前から、
住宅のエネルギーは分散した方が良いと提唱して来た。
その事が現実的になってきた。

オール電化住宅が盛んに建築されたのは
今から20年程前だ。
当時は電力会社が買い取る電気料金も高く、
投資した分を取り返せるとしてアピールされた。

オール電化住宅が普及した背景には、
当時電力自由化によって、
大きな工場などは自家発電や、
安い電力会社から電力を購入する事によって、
既存の電力会社が大口顧客を失った。
それをカバーする為に大手電力会社が家電メーカと組んで、
オール電化住宅を普及させたという背景がある。

そうして建てられたオール電化住宅は、
そろそろ築20年を迎える。
電気製品と言うのは経年劣化する。
良く持って20年程度だ。
基盤のコンデンサの液漏れなんてのが原因になる。

電気の知識がある人ならば、
秋葉原辺りで部品を買って来て直せるが、
素人はそうはゆかない。
工事会社に頼んで修理する事になる。

さてオール電化住宅なんだが、
屋根のソーラーパネルで発電した電気は、
パワーコンデショナーと言われる機械で調整される。
このパワーコンデショナーの耐久性は、
15年から20年と言われていて、
ぼちぼちパワーコンデショナーが壊れる家が出始めたのだ。

製造から20年も経っているから、
当時と同じ機種は無い。
それに相当する機種に交換する必要がある。

交換するのはパワーコンデショナーだけでなく、
室内のリモコンユニットや、
配線も交換しなければならず、
その総額、
工賃も含めると60万~70万円程度になる。

当初高かった売電価格だが、
やっと元が取れたと思ったら、
パワーコンデショナーが壊れて元の木阿弥。
それどころか高額な修理費が必要になる。

家を買った頃、
小さかった子供たちは大きくなって、
丁度大学生ぐらいになっている。
大学生はカネが掛かる。
そんな所に高額な修理費がのしかかる。
修理費が捻出できなければ、
屋根に乗せたソーラーパネルは無用の長物だ。

それから、
ソーラーパネル屋によれば、
ソーラーパネルも20年ぐらいするとダメになってくるそうだ。
発電能力が落ちるんだな。
特に外国製のパネルがダメで、
その交換は足場を組まなければならず、
大変な事になるんだそうだ。
結局高いカネを出して取り付けたソーラーユニットは元が取れず、
家電メーカーと電気工事屋、電力会社を潤しただけで、
更に建物としては、
屋根に重量物を載せて負担を掛けただけで、
あまりメリットは無いと言う事だ。

東日本大震災の時は計画停電により、
オール電化住宅の脆弱性が露わになった。
唯一のエネルギーである電力を失ったオール電化住宅は、
只の箱になった。

今は売電価格が下がり元を取る事はできず、
各メーカーは災害に備えて蓄電池を薦めているんだが、
その蓄電池の価格は高くて、
安いモデルでも200万円程度はする。
それに工事費が上乗せされる。

また蓄電池は当然ながら水に弱く、
水害が発生する地域では一発でダメになる。
勿論寿命も有る。

そんな訳で今やソーラーパネルは、
電気代金の元を取る事はできず、
災害に備えるにしても、
高額な工事費が必要となり、
コストパフォーマンスとしては全く合わない。

200万円以上する蓄電池を設置するのなら、
小型発電機を2~3台購入した方が遥かに安い。

そんな訳で今から20年ぐらい前に設置した
ソーラーパネルとパワーコンデショナーは、
次々に壊れ始める事になり、
修理費用を捻出する事ができず、
無用の長物に成り下がるか、
大枚はたいで修理するかで、
結局オール電化住宅は、
どちらも「ご苦労さん。」と言う事だ。
PR