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ボロクソワーゲン

昔VWゴルフにディーゼルエンジンを搭載したモデルがあった。
非力だったが、やたら燃費が良いのが特徴だった。
日本のダイハツも、シャレードに1Lのディーゼルエンジンを搭載したモデルがあった。
こっちも非力だったが、長距離通勤するお父さんには強い味方だった。
いずずのジェミニにもディーゼルエンジンの設定があったが、
時代はバブルで、ハイパワーに人気が集まり、次第に小型ディーゼルは衰退していった。
そして排ガス規制でトドメを刺された。

俺は以前ランクル61Vのディーゼルターボチューンをやっていたから、
ディーゼルエンジンの特性については理解している。

ディーゼルエンジンはガソリンエンジンと違って、空気は基本的に全開。
そこにどれだけ燃料を噴射させるかによってパワーが決まる。
当然沢山噴射させた方がパワーは上がるが、不完全燃焼も起こすから煤も出る。
ディーゼルスモークって奴だな。
こんだ薄くするとNoxが出て、こちらは人体に悪い。
日本のディーゼルエンジンはこれで規制された。
こいつについては、現在は触媒なんかで対処している。
デイーゼルスモークを出さずに、
一番パワーが上がる所を探る様にポンプを何度もセッティングするのは骨が折れた。
その代わり、ポイントを探りだした時のディーゼルエンジンに乗ったら、
回さなけりゃパワーが出ないガソリンエンジンなんかに乗る気が出なかった。

VWのディーゼルエンジンがインチキしてたってんで大騒ぎの様だが、
恐らく試験の時は、燃料噴射量を極力絞った設定にしたのだと推察される。
排ガスは綺麗になる方向になって試験には合格するが、パワーは無い。
なので、試験が終わったら元に戻したのだろう。

俺が乗っていたランクルぐらいまでの噴射ポンプは機械式だったが、
今のディーゼルポンプは電子制御されている。
だからコンピュータのマップを操作すれば、燃料を薄くして排ガスをクリーンな方向にもってゆける。
試験の時は燃料を絞るセッティングにして、
それ以外はパワーが出る様にセティングすれば良い。簡単なインチキだ。

この件に関しては、何か背景があるのでは無いかという邪推がはびこっている。
EUで幅を効かせているドイツに冷水を掛けてしまおうという魂胆だとか、
難民を受け入れさせる為の方策だとか、
言われてみればそうかもしれないし、違うかも知れない。

しかし言える事は、この事によってVWやアウディは大きな損失を被ると言う事だ。
VWは中国辺りにも進出して販売台数を増やしてきた。
今やトヨタとトップ争いをするまでに成長した。

日本はハイブリッドの方向に進んで、ディーゼルエンジンは主に中、大型車の搭載になった。
一方ヨーロッパでは昔、排ガスに含まれる窒素酸化物による酸性雨が問題になり、
ガソリンエンジンから、窒素酸化物の少ないディーゼルエンジンにシフトした。
この辺りの方向性の違いが、VWを窮地に追い込んだ原因の1つになったのだろう。
今後ヨーロッパはこれを機に、ディーゼルからハイブリット化に進むのだろう。

俺はディーゼルエンジンが好きだ。
低速からトルクフルで燃費も良い。
ランクルに乗っている時は、タービンをスープラターボAのハイフロータービンに交換して、
噴射ポンプ調整して、ブーストを1Kgにしたら、
とてもディーゼルエンジンとは思えないような、後ろから蹴っ飛ばされた様な加速をする様になった。
2tからある車体を、軽々と加速させて行った感覚は、
3Lのガソリンターボと同じぐらいだった。

その癖燃費が良く、街中ではリッター11~12キロぐらい走り、
長距離を巡航した時は、リッター14~15キロも走って、燃料計が壊れたのかと思ったぐらいだ。
しかし残念ながら排ガス規制で乗れなくなって、山陰地方のオーナーに引き取られていった。

最近マツダが小型車のディーゼルエンジンを開発して売上を伸ばしている。
下からトルクがあるから、ちょんと踏めばス~と動くトルクフルなエンジンは街中では使いやすいはずだ。
それに燃費が良くて燃料費が安いから、分かっている人にはウケると思う。
ただマツダはデザインが悪いw。

さてこれかからVWはどういう始末を付けるのか、生暖かく見守りたい。


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