勝手にぶつぶつ

知り合いが勤めている不動産屋がヤバくなってきた。

小さない不動産屋なんだが、社員が数人いる。
社長は不動産営業上がりの人で、典型的な不動産営業の様な人物だ。
経営者としてはちょっと心配になる。
ただ、運は持っていて、これまで何度かあったピンチを切り抜けて来た。

しかし今回はちょっと深刻になりつつある。

ここ数年、経営は芳しくなかったんだが、二年ほど前からウチと付き合うようになって、少し持ち直した。
それは、ウチが仕入れ物件を入れてやったからだ。
所が、調子こきやがったから、ウチは物件を入れるのを止めた。
それと相まって調子こいて、都内の億単位の物件を仕入れた。そいつが足を引っ張っている。

都内の物件を仕入れるにあたり、融資金額を何割かふかして借りている。
都内の物件だけではない。その他の物件もいくらかふかして仕入れている。
つまり、利益の先食いだ。

都内の物件を仕入れて、もう二年近くになる。
毎月利息を支払い、税金を支払ったら、年間５００万から６００万程度の費用が掛かる。
二年では１０００万から１２００万円の経費が掛かった事になる。
一向に売れる気配は無く、少し前に停止条件付きで契約になったが、解約になったとの事。
どうやら契約は銀行の手前だった側面もある。
知り合いに寄れば、この所資金繰りが厳しくなってきているそうだ。

都内の地価も一段落している。
都内の物件と言っても、郊外の物件だから、そんなに利用価値がある訳では無い。
案の定、誰も買い手が居なくて、塩漬けになってしまっている。

二千万や三千万ぐらいなら、補填して損切りで売却もできるだろうが、
数億になると、小さな不動産屋ではそれが出来ない。しかも仕入れでふかしているから負担は更に大きい。
最近では仕入れた物件を、自社の営業マンが居るのに、直ぐに業者に流してしまったり、
歩合を支払いたく無いためか、反響を営業マンに渡さず、社長自らが営業しているんだそうだ。
しかしローンなど分からないから、そういう雑務を営業に押し付けるから、
俺の知り合いも嫌気がさしていて、逃げ出すタイミングを見計らっている。

今は何とか会社を回しているが、運転資金に詰まったらおしまいだ。
今俺の知り合いが居るから、仕入れも出来て販売もできれいるが、彼が居なく無くなったら厳しくなる。
多分、年内に彼は辞めるだろう。
一発逆転が無ければ、来年いっぱい持つかどうか、生暖かく見守りたい。