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建物登記あり

長年不動産屋をやっていると、時には失敗する事もある。
先日珍しくポカをやった。

土地を売買したのだけれど、金額は大した事は無かったから油断していた。
元々は大きな土地だったのだけれど、数十年前に国道が通って、大半の部分は道路になってしまった。
その残りの三角地。三角地には建物が建っていた気配は微塵もない。

怪しげな土地は、更地でも念のため建物の謄本を申請する。何もなければそれでよし。
たまに建物が無いのに、登記が残っている事がある。

その土地には建物の登記が残っていた。

決済二週間前。司法書士に登記を依頼し、司法書士が登記の準備を始めた。
司法書士は念の為に土地上の建物の謄本を申請したら、なんと登記が残っていた。
もう60年以上前の建物だ。建物が建っていた所は、今は国道のバイパスになっている。

残った三角地は、元地番の残地だから、登記が残っていたのだ。
油断した。

こういう場合、土地家屋調査士に頼んで、土地所有者が申請して、職権で抹消できる。
ただし、一ヶ月ぐらい掛かる。
決済は二週間後。それでは間に合わない。

幸い建物は、現在の土地所有者の血筋の人の様で、所有者本人はとっくに他界しているが、
配偶者はまだ存命だそうで、現場簿近くに居住している。
土地の所有者とコンタクトも取れそうで、
司法書士のラインでアプローチができそうだ。よかった。

もし赤の他人で、相続人が遠隔地に居るなんて事になったり、
ハンコ代よこせ!なんて輩がいたらどうにもならない。

やっぱり基本は大切だ。
更地であっても、必ず「土地上の建物全て」で申請するべきた。
初心忘れるべからず、だな。



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