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クビになった

俺の旧知の友が不動産屋をクビになった。もう転職できる年齢では無い。

奴が古巣に再就職したのは二年前、当時奴は経済的に困窮していた。
その頃、奴はそれまで勤めていた不動産屋を辞め、ある不動産屋の名前を借りて
ブローカーの様な事をしていたが、実績は上がっていなかった。
それは顔色を見れば直ぐに分かった。

そして古巣に再就職。本人は否定しているが、再就職には嘗ての上司の口添えをもらった様だ。
再就職が決まった時、奴の顔は明るくなっていた。

最初の半年はまじめに会社の仕事をしていたが、早々に一本大きな契約をまとめたから、
調子にのって、会社外の仕事に熱を入れだした。
当然会社の仕事はおろそかになり、会社外の仕事も中々芽がでなくて、
社内での立場も段々悪くなって行った。

そして先日、会社側からクビを宣告された様だ。

実は本人からは俺に直接会社をクビになった連絡は無い。
俺は仕事仲間から奴がクビになった話を聞いた。
奴は俺にクビになった事を言えないのだ。
それは永年付き合いがあって、敗北感に似たものもあったり、俺に心配掛けまいとしている心理があったり、
奴の心情は手に取るように分かる。

今奴は固定給を失って、大いに焦っていると思う。
再び以前名前を借りていた会社に名前を借りてブローカー的な仕事をするのだろうが、
消費税増税の反動もあって、そんなに生易しく無い。悪い時にクビになってしまったものだ。

みんな独立を口にするが、独立するには遅すぎるし、時代が悪い。
まぁ資金も無いから独立などできないだろうけど、経営者になると言う事は、そんなに簡単な事では無い。

十分な資金と、十分な準備がなければ失敗する。
金もない、準備も無い、時期も悪い、それで独立なんて余程の幸運でも無い限り、
直ぐに詰んでしまうのは目に見えている。

奴も独立を視野に入れている様だが、これから子供に金が掛かる時期に差し掛かるから、
宝くじでも当たるか、相当でかい仕事を成し遂げるかしなければムリだろう。

明日辺り俺の所に来るだろうから、話を聞いてやるとするか。
今のところそのぐらいの事しか奴のためにやってやれる事は無い。

それにしても悪い時期にクビになってしまったものだ。

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ダメ男は興味深い

ダメ男は面白い。面白いと言う表現はちょっと違う、いとおかし。興味深いと言う方が適切だな。

俺はダメ男を20年以上前から知っている。
一時期は俺の上司でもあった。

ダメ男はネズミの様に気が小さい。その癖してええ格好しいだ。
時折虎の威を借る狐を演じる愚か者だ。

ダメ男の人生は学校を卒業した時がピークで、その後ずっと下がり続けている。
そしてもうじきボロ雑巾だ。

本人は運が無いとか、ついていないとか思っている様だが、
第三者が客観的に見ると、ダメ男自身が悪い方の選択ばかりしている。落ちるのは当然だ。

自分の置かれた状況、周りの状況が理解できておらず、誤った選択をする。
つまり頭が悪いのだ。

特にダメ男は環境察知能力が劣っている様で、自分の置かれている状況、立場が分かっていない。
だから他人に利用される。だけど、利用されている事事態に気が付いておらず、
むしろ利用しているヤツを信用してしまっている。

全く愚かだ。

ダメ男は離婚し、子供とも疎遠。仕事がらみで逮捕され有罪判決も受けている。

根は悪い人間では無いのだけれど、悪い奴に利用されるるのだ。逮捕された時もそう。
ヘタしたらもう一件、詐欺罪で逮捕される所だった。

ちなみに俺は、ダメ男がもう二回、逮捕されるネタを持っている。
腹に据えかねたら告発してやろうと思っている。


ダメ男はもうじき60歳だ。
同年代はみんな人生を完成させて定年退職だ。
所がダメ男はどん底だ。そして更にどん底に落ちて行く。しかも自ら選んで落ちている。
本人は上昇の希望を持ってその道を選んだ様だが、実態はどん底に向かっている。

その事をダメ男に何度か言った事があるが、ダメ男は理解しなかった。
莫迦だ。

今回もダメ男はダメな道を自ら選択した。
頭悪いどころでは無い。

ダメ男は親が死んだら食って行けない。
この二年間収入が無い。
両親の年金で食わしてもらっている。

両親とも健在だが高齢で、父親はそんなに先が長くない。
ダメ男に収入は無いから、親から小遣いをもらって不動産屋ごっこをやっている。
父親名義の不動産があるが、
相続する不動産は他人に取られる。相続する財産も他人に取られる。
残るものは何も無い。

父親が亡くなったら、家を追い出されて、
市営住宅にも入れてもらって僅かな年金と生活保護で生きてゆくのだろう。

かわいそうなのはおふくろさんで、ダメ男の父親、つまりおふくろさんのご主人が亡くなったら、
長年住み慣れた家を出てゆかなければならない。
おふくろさんはまだそうなる事実を知らない。
父親が亡くなったら、おふくろさんは突然家を追い出されてしまうのだ。

結局ダメ男が、問題が発生した時に、その都度対処せず逃げまわり、
そのツケが溜まった結果がこれだ。全て身から出たサビ。

俺は何度かダメ男に救いの手を差し伸べたが、それを断ったのはダメ男本人だ。
そして人生の最後に手を差し伸べてやったが、それを断り、
またもや誤った道を選んだ。もうやり直しが効かない。
全く学習能力が無い。






ダメ男 逃げまわる

最後に情けでダメ男に温情を掛けてやったんだが、ダメ男はそれを蹴った。
なのでクビにする事に決めた。

ただクビにするのは簡単なんだが、ダメ男には判子を突かせる書類があるから呼び出しているんだが、
逃げまわっている。

メールで呼びつけたら、親戚の家にいて夜遅くなるから、来週にしてくれと返答が来た。
なので、深夜でも構わないから来なさいと辺としたらシカト。
電話したら出ない。留守電に入れても返事をしない。
完全に逃げている。

ダメ男の状況は分かっている。
もう一人の相方連絡を取っているのだ。
ダメ男は、もう一人の相方に利用されているんだが、ダメ男はそれに気がついていない。
相方にしてみたら、ダメ男は只で動く都合の良い奴なので、
相方はダメ男をクビにして欲しくないのだ。
それで何やら画策をしているのだろう。

しかし俺はそんな事は関係ない。
最後の温情を蹴っ飛ばして、こちらの連絡をシカトするのだから、
ダメ男をかばう理由は全く無くなった。
これからは債権者と債務者の関係で一切容赦しない。
これでダメ男の人生は決まった。
奴の残された人生はボロ雑巾だ。

ダメ男からボロ雑巾へ。

先ほど二回目の留守電を入れた。未だ返答は無い。
深夜でも構わないから必ず来るようにメッセージは伝えた。
俺をシカトしたらどうなるかダメ男は未だ理解していない。
バカな奴だ。
ダメ男の地獄行きは決定した。

ダメ男のクビを切る

ダメ男がやってくれた。億単位の話をぶっ壊しやがった。もうダメだクビにする。

ある微妙な案件を頼まれていた。
相手方はダメ男の元同僚の居る会社で、俺は元同僚の上の人間と極秘裏にやりとりをしていた。
この案件は元同僚は知らない。というか元同僚には知られてはいけない内容だった。

この件に関し、相手方の社員に知れるとまずいので、
別の社員に情報を集めるよう指示して、相手方との連絡は俺が取る事としていた。

所がウチの社内のやり取りで相手方の取引社名を知ったダメ男は、
相手方の会社が元同僚の居る会社だと知り、
俺の許可も取らず、勝手に元同僚と連絡を取り、取引の事を元同僚に知られてしまった。

当然元同僚の上司に、元同僚が案件の事を知った事を知り激怒し、
この案件はダメになると同時に、ウチの会社の信用も失い取引を切られた。

ダメ男、本当にダメな男だ。
もうだめだ。でかい商談をぶっ壊しやがって、でかい利益をふっ飛ばしやがった。もう許せん。



どっこい生きてる

今日懐かしい人の名前を聞いた。
俺が学校を卒業して最初に就職した会社の先輩社員だ。
俺よりも歳は15歳ぐらい年上だ。

この人は地方から出てきた人で、デタラメな人生を歩んできたと言って良いw。
早い話チンピラだ。
地方で若い時に世帯を持って子供もいたが、離婚して都会に出てきた。
不動産屋に就職して営業マンになった。
見栄っ張りで、飲む、打つ、買うの典型的な男だった。
宵越しの金は持たないタイプだ。

長年不動産の営業マンをやっているが、昔の不動産営業マンのタイプで、
ローンの計算すらできない男だった。時代の背景もあり、勢いだけで契約を取っていた。

そんな奴だから、他人の客を平気で取っていた。
俺は何度も煮え湯を飲まされ「この野郎、今に見ていろ!」と思っていた。

バブルが崩壊し、時代が変わり景気が悪くなってくると、
そんな昔のやり方は通用しなくなってきて、客の金をちょろまかしたり、
客から金を借りたりでその内会社を辞めた。

再婚していたが、相手はキャバクラのおねぇちゃんで、歳は20歳ぐらい離れていた。
オネェちゃんを落とすために、相当の金を使ったと豪語していた。
おねぇちゃんに金を使ったから、蓄えは無い。
嫁にもらった途端、家に金が無い事が分かり、
相変わらず飲む、打つ、買うは収まらなかったから、
いつもゴタゴタが絶えなかった。

会社を辞める直前に、取引先の業者物件を買った。
家を買うことで暮らしも纏まるかと思われたが、
転職先でも仕事は上手く行かず、職場を転々としたが、
ローンの計算もできない様な奴が通用する訳が無い。
その内ローンも支払えなくなって離婚した。

その後ある不動産会社に居るとは聞いていたが、
その会社そのものが破綻してしまい、それから行知れずでいた。

8年ぐらい前に、ある現場を通りかかった時に、良く似た人を見た。
もしかしたらと声を掛けたら、本人だった。
少し話をしたが、あっちは雇われの身。こっちは独立している身。
肩身が狭そうだった。

その後再び行方しれずになって、知り合いに合うと、
「あの人今頃何をしているんだろう。」
ぐらいの人になってしまった。

今日会計士が用があってウチに来たのだけれど、
その会計士は件の男と昔、飲み歩いていた人で、
「そう言えば、件の男から電話があったよ。」
と言っていた。

話を聞いたら、今は年金をもらう歳になって、不動産屋では無く、
どこかの飲み屋のマスターをしているらしい。
あはは、あの男らしいや。ピッタリの職種だ。
しぶとく生きているみたいだ。
あの人らしい生き方だ。
まぁ売上はちょんぼしているのだろうけど。

その人の人生だからとやかく言うつもりは毛頭ない。
でも俺はその様な生き方はしたくない。
歳をとってまであくせく働かなくてはならないなんて、まっぴらゴメンだ。

歳を取れば体も効かなくなる。
自分が体を動かさなくても、ある程度の金が入ってくる体系を作っておきたい。

かの男の人生を見ていると、宵越しの金を持たない様な生き方をしていると、
死ぬまで働いて居ないと生きて行けないし、
誰も身近におらず、最後はひとりひっそり逝くのだろうな。

でもまぁ元気そうだから、当分大丈夫だろう。