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どっこい生きてる

今日懐かしい人の名前を聞いた。
俺が学校を卒業して最初に就職した会社の先輩社員だ。
俺よりも歳は15歳ぐらい年上だ。

この人は地方から出てきた人で、デタラメな人生を歩んできたと言って良いw。
早い話チンピラだ。
地方で若い時に世帯を持って子供もいたが、離婚して都会に出てきた。
不動産屋に就職して営業マンになった。
見栄っ張りで、飲む、打つ、買うの典型的な男だった。
宵越しの金は持たないタイプだ。

長年不動産の営業マンをやっているが、昔の不動産営業マンのタイプで、
ローンの計算すらできない男だった。時代の背景もあり、勢いだけで契約を取っていた。

そんな奴だから、他人の客を平気で取っていた。
俺は何度も煮え湯を飲まされ「この野郎、今に見ていろ!」と思っていた。

バブルが崩壊し、時代が変わり景気が悪くなってくると、
そんな昔のやり方は通用しなくなってきて、客の金をちょろまかしたり、
客から金を借りたりでその内会社を辞めた。

再婚していたが、相手はキャバクラのおねぇちゃんで、歳は20歳ぐらい離れていた。
オネェちゃんを落とすために、相当の金を使ったと豪語していた。
おねぇちゃんに金を使ったから、蓄えは無い。
嫁にもらった途端、家に金が無い事が分かり、
相変わらず飲む、打つ、買うは収まらなかったから、
いつもゴタゴタが絶えなかった。

会社を辞める直前に、取引先の業者物件を買った。
家を買うことで暮らしも纏まるかと思われたが、
転職先でも仕事は上手く行かず、職場を転々としたが、
ローンの計算もできない様な奴が通用する訳が無い。
その内ローンも支払えなくなって離婚した。

その後ある不動産会社に居るとは聞いていたが、
その会社そのものが破綻してしまい、それから行知れずでいた。

8年ぐらい前に、ある現場を通りかかった時に、良く似た人を見た。
もしかしたらと声を掛けたら、本人だった。
少し話をしたが、あっちは雇われの身。こっちは独立している身。
肩身が狭そうだった。

その後再び行方しれずになって、知り合いに合うと、
「あの人今頃何をしているんだろう。」
ぐらいの人になってしまった。

今日会計士が用があってウチに来たのだけれど、
その会計士は件の男と昔、飲み歩いていた人で、
「そう言えば、件の男から電話があったよ。」
と言っていた。

話を聞いたら、今は年金をもらう歳になって、不動産屋では無く、
どこかの飲み屋のマスターをしているらしい。
あはは、あの男らしいや。ピッタリの職種だ。
しぶとく生きているみたいだ。
あの人らしい生き方だ。
まぁ売上はちょんぼしているのだろうけど。

その人の人生だからとやかく言うつもりは毛頭ない。
でも俺はその様な生き方はしたくない。
歳をとってまであくせく働かなくてはならないなんて、まっぴらゴメンだ。

歳を取れば体も効かなくなる。
自分が体を動かさなくても、ある程度の金が入ってくる体系を作っておきたい。

かの男の人生を見ていると、宵越しの金を持たない様な生き方をしていると、
死ぬまで働いて居ないと生きて行けないし、
誰も身近におらず、最後はひとりひっそり逝くのだろうな。

でもまぁ元気そうだから、当分大丈夫だろう。




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