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AM停波

テレビ局の収益が減っているそうなんだが、
それよりも厳しいのがラジオ局。
特にAMラジオ局は経営がかなり厳しくなっているそうだ。

俺は小坊の頃からラジオを聞き始めた。
今は家に何台もテレビがある時代だが、
俺がガキの頃は、
テレビは一家に一台だけだった。
もちろん家庭用ビデオはまだ無い。

その様な状況の中、
パーソナルで情報を受け取る事ができるのは、
ラジオしかなかった。
今でも覚えているが、
最初に自分で買ったラジオは、
800円ぐらいのAMトランジスタラジオだ。

800円のトランジスタ・ラジオにイヤホンを繋げてラジオを聞いていた。
当時はラジオを聞く事が、
ちょっと背伸びした感じがして、
生意気に深夜放送なんかも聞いていた。

中坊ぐらいになるとマセてきて、
AMラジオからラジカセに出世して、
エアチェックに余念が無かった。

高校になるとオーディオチューナーで、
もっぱらFMをエアチェックしていた。
アンテナに凝ったりして、
隣の県のFM放送もチェックしたりしてた。

大学に入ると、
いっちょ前に車を手に入れて、
カセットもあったが、
AM、FM共にラジオを聞いている事が多かった。

社会人になって不動産屋に就職して、
車で出かける時は、
もちろんラジオだった。

テレビは見ないが、
今でもAM、FM共にラジオは聞いている。
夜寝ている間も、
ラジオは音量を絞って流しっぱなしだ。

ラジオのニュースを聞いて、
気になる事はネットで検索すれば、
世の中の動きは概ね網羅できる。

ネットが発達して、
PCやスマホをみんな持つ様になると、
テレビやラジオ離れが進んだ。

特にラジオ離れが著しい様で、
今や東京のラジオ局のアナウンサーの多くは契約社員で、
そんな所からもラジオ局の経営の厳しさが分かる。
今やラジオを聞いているのは、
ジジババばかりの様で、
文化放送の昼間の番組のスポンサーは、
朝日新聞と東京新聞だww。
だから左巻きの番組内容が多い。

そんな状態だからラジオ局は、
カネの掛かるAM放送を止めて、
FM放送に切り替える事になった様だ。
既にその準備として、
在京AMラジオ局はAMと同時に、
FMでも波を出している。

AMの電波は中波と言われていて、
地表と電離層の間をバウンドしながら遠くまで電波が届く。
ちなみに、
大戦中に日本から遠く離れた場所に居る潜水艦に送っていたのは長波で、
地球の裏側まで電波が届く。

AMに比べFM(超短波)の方が音質が良いんだが、
FMの電波は光と同じ様な特性で直進性が強く、
遮蔽物があると遮られてしまう。
反射もするが減衰してしまう。
アマチュア無線では、
ビームをわざと富士山の方に向けて、
富士山反射なんて技を使ったりする。

閑話休題

つまり、
同じ出力ならば、
AMに比べFMは電波が遠くに届かないと言う事だ。

受信機が固定の場合はアンテナで工夫すれば、
ロケーションの悪さはカバーできるが、
車などの移動体の場合は、
出力が強くないと電波が途切れる。
もちろん遠くには届かない。

東京FMでは、
関東平野の西部分をカバーするために、
奥多摩の御岳山にレピーター(中継局)を設置して、
そこからも波を出している。

在京AM局もFMに切り替えた場合には、
レピーターを使うのか?

NHKはどうなんだ?
NHKはAMを残すのか?
公共放送なんだから当然残すだろうな。
今の所、
NHKがAMを止めると言う話は聞いていない。

中波というのは、
遠くまで電波が届くから面白い。
夜になると、
朝鮮半島から発せられたAMラジオの中波は、
関東地方から関西地方で感度良く受信される。
波の届き具合が朝鮮半島から丁度良い距離にあるんだな。

ごくたまに電離層の関係で、
北海道のFM放送が関東地方で明瞭に聞こえる事がある。
でもまぁこれは極稀な事で通常は届かない。

何度も書くが、
AMというのは、
遠くまで電波が届いたり、
遮蔽物があっても電波が届くのが利点。
だけど、
FMになるとそうはゆかない。
その辺りの事が今後どうなるかだ。
災害の時などはちょっと心配だな。

AM停波はもう決定事項らしい。
AMラジオが聞けるのは関東地方では、
後数年といった所だ。
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