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ブームに乗って山を買うバカ

近年キャンプブームで、
どこのキャンプ場も連休となれば、
まるで難民キャンプのごとくテントが並んでいる。

そんな激混みキャンプ場に辟易した小金持ちキャンパーが、
最近山を買ってプライベートキャンプ場にしているらしい。
誰にも邪魔されずひとりキャンプする事に、
さぞやご満悦なのだろう。

ところが現実はどうかというと、
基本山だから、
最初にキャンプできる環境に整えなければならない。
草を刈ったり、
伐採したり、
伐根したり、
それなりの道具と経験がなければできない。
草なんてのは夏になれば、
二週間で10~20センチぐらい伸びる。

山には虫や動物、蛇もいる。
丹沢みたいにヒルが居る場所だったら最悪だ。
そりゃ大自然の中なんだからそうだよな。

購入した山林に、
うまい具合に湧き水や小川が流れていれば良いけれど、
基本的に水は無い。
山ってのは土の塊だと思っていたら大間違いで、
山は石の塊だ。
井戸なんて掘れない。

当然トイレは無いから、
雉打ちする事になる。

夜になれば真っ暗の闇。
明かりを消したら、
何にも見えない闇。
場所によっては携帯電話もつながらない。
ソロキャンプで何かあっても、
救助も呼べない。

次は不動産屋の立場から見た場合。

キャンプを目的として購入した山林は、
「宅地」では無いから、
山林売買に不動産屋が介在していたとしても、
何か取引で問題が発生した場合、
宅建業者が加盟している保証協会の保証が受けられない。

キャンパーが購入する山林なんてのは、
いわゆる原野商法的な山林で、
相場よりも高い金額で売買するケースが多い。
それに面積も山林としては中途半端だったり、
利用価値が無い場所だったりする。

山林はもとより、
土地には目に見えない法律が掛かっている。
自然公園法などの規定で建築が許されない場所がある。
実際にあった例で、
自分が購入した山林にログハウスを建築したところ、
環境省から「そこは建築できません!」と指導を受けた奴が居る。

山林が不要になって売却しようとしても、
需要が無いから売れない。
固定資産税は毎年課税されるから、
不要な山林の固定資産税を支払い続けなければならない。
相続人にとっても迷惑相続財産だ。

そんな訳で、
素人が一時のブームに惑わされて、
山林なんかに手を出したら、
ババ抜きのババを、
高い金出して買うような物で、
現実はとても厳しいぞ!
と言う話。
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