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商談を潰した業者

ウチで預かっている専任物件がある。
その物件に客を案内したいと、不動産業者から問い合わせがあった。
問い合わせの声は、老人特有の少しおぼつかないしゃべり方だった。
多分昔から一人でやっている不動産業者なのだろう。

なので売主さんと連絡を取って案内の段取りを取った。

その業者は物件を案内して、客から購入の意思を受けたと連絡があった。
客は70歳代の女性で、現金で購入すると言う。
物件のある同じ町内には、息子夫婦が住んでいる為、
ウチで預かっている物件に目を留めたそうだ。
本人は気に入って購入の意思を示したが、
後日息子にも物件を見てもらって、それでよければ契約の手続きをしたいと言う事だ。

そして後日、件の業者が息子をその物件に案内した。
案内が終わった後、売主の客からこちらに電話が来た。
「今日案内した業者のじいさん、大丈夫なんですかね?」
と言う、どうしてだ?と聞くと、
「客から質問されてもちゃんと答えられないみたいで、見ていてこっちが不安になった。」
と言うのだ。

確かに電話の声もおぼつかないし、送られてきた連絡先のFAXは思いっきり手書きだし、
俺にも一抹の不安が走った。
その後も連絡が無いから、こちらから電話してみたら、
案の定、息子がダメだとの事だった。

原因は物件では無く、そのじじぃにある。
諸経費の事を質問されてもちゃんと答えていなかったそうだから、
客が不安を抱いたのではないかと思うのだ。

客も物件を気に入って購入の意思を示しているにも関わらず、
仲介業者に不安を抱いてパンクするなんて話は、
余程いかがわし業者でなければあり得ない事だ。

この爺さん業者、
地元の古い付き合いのある地主を相手に賃貸業務を中心にやっていたのでは無いだろうか。
想像するに、その付き合いの紹介で、客を案内した物の、
売買物件などやった事が無く、その後の処理や費用などには疎く、
客に明確に答えられなくて、不安感を募らせたのだと思われる。

そんなじぃさんだったら、案内の時に俺も行ってフォローすれば良かった。
そうすりゃこっちで話をまとめて、じぃさんには手数料を払ってやったのに。

物件は抵当権の末梢の関係で、若干値段が高い。
だから客がつきにくいのは認識していた。
折角のチャンスをじぃさん業者に潰されてしまった様なもんだ。

全くもったいない事をした。


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