忍者ブログ

売上指数失速

景気回復に関して、懸念する動きが出てきた。
昨年の消費増税で、可処分所得が減った結果、消費が落ち込んだ。
お上の発表では、13ヶ月連続で下落だそうだ。

東大指数では、前年同月比で数値がほぼリアルタイムで発表されているんだが、
今年4月から売上高は大幅に改善した。それと同時に、物価も上昇した。
物価が上昇しても売上がついてゆけば、これは力強い消費の回復であると言えて、
景気回復が本格化した様に見えた。

そう判断したのは、売上高や物価だけでなく、失業率の改善なども見られたため、
やっと消費税ショックから抜けだしてスタートラインに着いたのだと思われたのだが、
物価上昇は続き、1%に届きそうな反面、それに反比例して売上指数は落ち、
6月に入って急落し、前年同月比で、とうとう0%まで落ちてきてしまった。

物価上昇の原因はいくつか考えられる。ひとつは円安による輸入品の値上がり。
2つ目には人件費の上昇に伴う物価の値上がりだ。
特に輸入品の値上がりが著しく、ある物については1.5倍に値上っている物もある。
賃金がまだ著しく上昇している訳では無いから、物価が上がれば買い控えが起きて、
売上が落ちるのは当然だ。消費者の経済的体力がまだ無いという事だ。

首都圏郊外の不動産屋の立場から言わせてもらうと、エンドユーザーの動きが極めて悪い。
恐らくバブル崩壊後、リーマンショック後よりも悪い。
大手建売業者も、売上が芳しく無いから、ここへ来て軒並み値下げしている。
見ていても明らかに顧客数が減っている。

その一方、企業向けの物件については、物件が無いという程需要がある。
特に工場用地を探してくれという依頼が多い。

金融緩和で明らかに経済は回復基調にあるのだが、賃金の上昇がそれに追いついておらず、
エンドは相変わらずしょっぱいという事だ。
1~3のGDPが大幅改善と喜んでいるようだが、あれには在庫も含まれているから、
両手放しでは喜べない。景気回復は末端までまだまだ広がっていないという事だ。


安倍っちは消費税を増税した事を悔やんでいると仄聞しているが、後の祭り。
その破壊力は凄まじく、未だに完全に上昇してる訳では無い。
昨年の消費増税で15兆円のデフレギャップが発生したと言われているが、
それを補う財政出移動はされていない。
消費増税の不況は、お上が創りだしたもの。それを補う事もしないのだから、
経済が中々回復しないのは当たり前。ブレーキに対してアクセルを踏む量が少ないのだから。

末端まで景気回復を感じるには、まだ遠い道のりと言えそうだ。



PR