勝手にぶつぶつ
個人の利益か、公共の利益か
大阪の一等地、梅田の地下道で立ち退き騒ぎがある様だ。
問題の場所は梅田の地下道で、この地下道で営業している店舗が、市から強制撤去されようとしている。
報道で撤去されようとしている店舗の主は
「結局は市や大きい企業の都合が優先され、小さい店は邪魔だということ。
休みなく働いてようやくお客さんに来てもらえるようになった。
店っていうのはそんな簡単に移せるものではない」
とため息をついた。と報道されている。
この場所は昭和20年、終戦後空襲で焼け出された人たちが住み着き闇市ができた。
悪質な業者を排除し、環境を改善するために、大阪市は救済措置として団体、個人に専有許可を出した。
テナントでは無く、道路専有許可だ。道端で営業する屋台と同じ。
その占有量は㎡あたり年2万6千円と破格で、
串揚げ屋は年15万6千円を支払って梅田の一等地で営業していた。
串揚げ屋から少し離れたぶらり横丁の3店舗は、
かつて市の外郭団体だった大阪市民共済会から専有許可を受けて営業していた。
昭和28年に事業として区画を借り、8年前に共済会と契約していたある店舗は、㎡月5万の家賃だった。
この事について、
「大阪市は共済会に許可した専有期限は切れている。
営業している店は明らかに不法占拠だ。」
と公言している。
この立ち退き騒動は、デパートが入るビルの建て替えに伴う地下の拡幅工事が原因で、
市がビルの容積率の規制緩和を認める代わりに、ビル側が費用を負担して地下道を拡幅するというもの。
この地下道は通行量が多く、混雑緩和を目的として、昭和55年に都市計画決定したものの、
財源が無くて事業決定できなかった。今回この機会に拡幅しようという訳だ。
俺の目から見たら、時代の流れだな。
そもそも専有許可を出したのは、戦後の混乱期の救済措置で、それが70年近く続いていたという事。
時代が変わり、事情も変わった。
件のある店舗は、年商1億4千万あり、
それに対して家賃にあたる道路専有使用料は年間たった14~15万円だ。
しかも昨年の決算で現預金が7400万円あり、裁判所から執行停止が認められなかった。
恵まれすぎているのだから当たり前だ。
こりゃ店舗側の方が分が悪い。そんなにカネあるのなら、他所で営業しなよって事になる。
まぁ他所で同じように利益を上げられるとは思えないが、今までラッキーだったと言う事だ。
度々公共の利益か個人の利益かで問題になる。
かつて首都圏では、圏央道建設の時もこの問題が勃発した。
現在圏央道は東名から関越まで繋がった。もう間もなく東北道に繋がる。
圏央道が出来た事で、環八、国道129号、国道16号のトラックの量が減って、交通がスムーズになった。
排ガスも減り、経済効果は明らかに上がっている。公共の利益を得る人の方がはるかに多い。
大阪の問題は、既得権を手放したく無い店舗側と、公共性のどちらに大きな利益があるかが争点だが、
結論は見えている。
時として時代の流れの影響を受けるものだと言う事なのだろう。