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巣立ち

今引っ越しの手伝いをしている。
と言っても、ひとり暮らしの引っ越しで、ダンボルー箱の用意と、荷物の運搬だけなんだが。

引っ越しするのは17歳の少女。
今、親と一緒にアパートに住んで居て、そこから独立してひとりでアパートに住む。
彼女の母親は再婚の後妻で、彼女と血のつながりは無い。
父親は酒飲みで、経済的にも厳しい。
だから彼女は高校進学をあきらめ、アルバイトをしながら通信制の高校生だ。
頭は良く、手先も起用で手芸が得意。作った作品を委託販売したり、
ネットで販売して生活費の足しにしている。

この度、何とかワンルームマンションを借りる事ができた。
保証人は彼女の祖父になってもらった。
まじめな彼女だから、家賃を滞納する事は無いだろう。

本人は至ってまじめで働き者、頭も良い。
詳しい事は知らないが、家の経済がちゃんとしていれば、
彼女はそこそこの学校に通っていただろう。
彼女は社会に出たら、その実力を発揮して活躍できるだろう。金の卵だ。

そんな娘だから、引っ越しを手伝ってやる事にした。
聞けば、そんな彼女の性格から、多くの友達に慕われ、
独立に当たって、沢山の友達から引っ越しのカンパが集まったそうだ。

だから俺も、ちょっとだけ手伝ってやる事にした。

格差社会とは言うが、世の中にはこういう環境の子もいるのだ。
彼女はまだ良い方なのかも知れない。
その一方で、何不自由する事も無く、文句を垂れているヘタレが居るのも事実だ。

社会に出て、自分で稼いで食って行く事は、生易しい事では無い。
そんな時に、本人の行いや性格が物を言う。
彼女の様に、一所懸命に頑張っている者には、自然と支援が集まる。
今彼女は、ちょっと苦労しているかも知れないが、目の有る人は必ず見ている。
きっと、彼女の将来は、明るい将来が待っているに違いない。

がんばれ。

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