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俺に話しかけるな

ウチの会社も相変わらず人手不足だ。
特に建設部。
だからといって増員するつもりは無い。
今の人員で出来る範囲の業務を行えば良い。
それぞれが食えれば良い。
ウチの会社はそういうスタンス。
細く、長くだ。

そんなスタンスでやっているから、
社長である俺も現場に駆り出される。
ってか、
現場を請け負わされている。
俺、本職は不動産屋なんだけど.......。

その現場は梅雨明けと同時に着手したんだが、
そこそこ規模が大きい外構工事で、
本来なら、
2~3人で掛かる規模ではあるが、
人手不足と経費の関係で、
ほぼ俺一人で施工している。

こないだブロックで階段を作っていたんだが、
その日はまるで夏が戻って来たような日で、
更に急に設計変更があって、
ちょっと面倒な仕様に変更された。

そんなんで、
ひとりで面倒くさい階段の墨出しをしていた。
ここは、神経を集中する所だ。

そんな時に限って現場に人が来る。
最初に来たのは不動産の仕事仲間で、
大して用は無いのに来やがった。
どうでも良い事をペラペラ。
早く帰れば良いのに中々帰らない。

次に来たのは裏の家のおばちゃんで、
裏のおばちゃんちの擁壁とフェンスを
ウチの会社で施工する事になっているから、
無下に無視できず対応をした。

こっちはコンクリート扱うから、
時間に限りがあって、
早く施工したいんだが、
こいつも中々帰らない。

やっと帰ってくれて続きをやって、
いざ施工したらレベルが合わないし、
直角も出ていない。
二度ほどやり直したけど何かおかしい。

こういう時はあせってはいけない。
何かが間違っている。
コーヒー飲んで一息ついて見直したら、
俺が勘違いしていた事が判明。
それは、
来客があった時に墨を出した箇所で、
ちょっと面倒くさい場所でもあり、
相手をしながらやっていたから間違えた様だった。

かように肝心な所を施工している時に限って、
人が来たり電話が掛かってきたりする。
無視することもあるんだが、
無視できない事もある。

職人が寡黙なのは、
作業に集中したいからで、
決して人が嫌いな訳じゃ無い。
俺は職人じゃ無いけど、
現場作業していると職人の気持ちが良く分かる。

この現場は、
埋設物と猛暑と夕立や台風の影響で、
予定より1ヶ月遅れになっているが、
何とか今月中の竣工が見えてきた。

だから施工中は、
俺に話しかけないでくれ。
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