忍者ブログ

そこを確認しろよ

知り合いの不動産ブローカーが案件を持ち込んできた。
この件は少し前から話を聞いていた。
そのときの説明では、
「住宅ローンが支払えなくなったから売却したい。」
との話だった。

その件が具体的になってきたんだが、
ブローカーはローンの残債額を気にしていたが、
もっと重大な事が判明した。
それは、
所有者は旦那さんなんだが、
数年前から失踪して行方不明なんだそうだ。
今は残された奥さんがパートしながらローンを支払っているんだが、
それがきつくなって滞納が発生しているとの事だ。

残高よりも、
所有者の失踪の方が重大だろ。

所有者が失踪しても不動産を売却する方法がある。
ひとつは失踪者の関係者が失踪宣告の手続きを取る事だ。
失踪した日から7年経ったら死亡したとみなされる。
その後相続登記をして売却する。

次は、
不在者財産管理人を付け、
権限外行為許可を得る。
この管理人が失踪者に替わって不動産を処分する。

その辺りがどうなっているのかブローカーに聞いたら、
「客が弁護士を付けていて、大丈夫だと言っている。」
と言う。
だから、
その内容をちゃんと把握してこいよ。
それぞれ手続きには時間が掛かるし、
手続きの方法によって、
こっちの扱いも変わるから、
「客が大丈夫だと言っているから。」
などと、
素人が言う事を真に受けるなよ。

こんなんだからこのブローカーは、
良い歳こいているのに、
冷や飯食ってるんだ。
もっとも、
もっとキレる奴だったら、
ちゃんと独立してブローカーなんかやって無いけどな。

不動産取引での殆どのトラブル原因は、
調査不足にある。
この件も、
失踪者に対してどの様な手続きをするのか、
いつになったら所有権移転できる様になるのか、
それは確実なのか、
その辺りを明確に把握しておかないと、
場合によっては業者責任を問われる事になる。
素人の客の言う事など信じてはならない。
自分で調べ、確認して、証拠となるものを入手すべきだ。

やれやれ。
ブローカーに任せておけんな。
具体的になったら、
客が委任している弁の所へ行って、
詳しい話を聞きに行かねばならんな。
また余計な手間が増える。
PR