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ガソリンはみんな一緒

俺、学生の頃にガソリンスタンドでバイトしていて、
乙4取ると時給上げてくれるってんで、
一週間勉強して笹塚の消防学校まで行って資格を取った。

だけど社会人になって、
燃料業界とは全然ちがう不動産・建築業界に入ったから、
乙4は使う事も無く、
免許証もどっかに行ってしまった。

その当時教えてもらったんだが、
ガソリン各社、様々なブランドがあるんだが、
集積所には、同じタンクで一緒くたに貯蔵され、
各社のローリーがそこから積んで各スタンドに配送するから、
どこの会社のガソリン入れても同じと言う話を聞いていた。

そこで余ったガソリンが無印ガソリンで、
中身は有名メーカーの物と同じだと言う話も聞いた。

この度、
ハイオクガソリンがそうだったと報道されたが、
俺にしてみりゃ、
そんなの常識で、
みんな知っていると思っていた。

ハイオクガソリンと言うのは、
特別性能が良いガソリンと言う事では無く、
言うなれば、
燃えにくいガソリンと言う事だ。

ガソリンは軽油などに比べ燃えやすい。
揮発性が高くて着火温度も低い。
高い圧力を掛けると、
点火プラグで点火しなくても自然発火する。

ガソリンエンジンで効率よく力を出そうすれば、
圧縮圧力を大きくすると
同じ排気量でも高出力が得られる。
ハイコンプエンジンという奴だな。
デカいタービンに乗せ換えたり、
ブーストアップしたターボエンジンも同じだ。

ところがハイコンプにすると、
ノッキングと言われる異常燃焼が発生する。
点火プラグで着火する前に、
圧縮圧力で勝手に発火してしまう現象だ。
これが起きるとエンジンが壊れる。

そこで燃えにくいハイオクガソリンの登場だ。
ハイオクガソリンは、
レギュラーガソリンに比べて燃えにくい。
ハイコンプのエンジンに対応できると言うものだな。

もっと燃えにくいのはレースガスという奴で、
サーキットの隣にあるガソリンスタンドで販売されている。
レースガスをノーマルエンジンに使用しても問題は無いが、
生ぬるい感じになる。
高性能なエンジンを搭載しているバイクでこれをやると、
その違いが分かる。
これは、
圧縮圧力と、ガソリンの特性が合っていないからだ。

かように、
ノーマルエンジンにハイオクガソリンを入れても、
エンジンの性能が上がる訳じゃ無い。
むしろ性能を悪化させる事もある。

一般市販車なんてのは街中走る分には、
そのエンジンが持つ最高出力の1/4も使っていない。
そんな状態の使い方のエンジンに高出力は必要ない。
低回転で高トルクが出せる特性のエンジンが街中では使いやすい。
ロングストロークのガソリンエンジンや、
ディーゼルエンジンなんてぴったりだ。

だけど、これらのエンジンは、
低回転で高トルクを出せるが、
最高出力は抑えられてしまう。
商売としては、
アピール度が低くて売れない。

だからメーカーは、
ハイコンプで高出力のエンジンを販売し、
燃料にハイオクガソリンが必要になると言う訳で、
街中で乗るクルマとしては、
全く無駄な事をしていると言う訳だ。

世の中というものは、
本質を知ると無駄にしている事が多くある事に気が付く。
しかしメーカーはユーザーが満足して売れればそれで良く、
メーカーもニーズに合わせて商売している。

市販車に給油するハイオクガソリンなんて、
況してや市街地で乗るクルマにとっては、
どこのメーカーのハイオクガソリン入れても皆同じだ。

それが一緒くたになっていたなんて大騒ぎしているが、
俺に言わせりゃ、愚の骨頂だな。
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