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インテリ職人

こないだ、知り合いの親戚の遺品処分を請け負った。
残置物を撤去処分すると言う事だな。

故人は生涯独身の男性で、享年は70歳過ぎで、
建具職人だったとの事。

平屋の借家で、残置物はそれ程多く無かった。
既に自分の最期を覚悟していたのか、
身の回りを整理していたのだろうか。
驚いたのは書物の多さ。
それも全て法律関係の書物やカセットテープだ。
どうやら、法律家を目指していた様だ。
しかしどこでどうしたものか、建具職人を生業にしていた。

遺品から故人は孤高の人生だった様だ。
建具職人は糧を得る為に手段で、
志は最後まで高く持っていた様だ。

他人はどう評価するか分からないが、
俺は故人に対して敬意を表したい。
夢は果たせなかったが、志は曲げなかった孤高の男の人生は崇高で、
俺には真似ができないと思った。

この世の残置物は、残り無く撤去処分したから、
黄泉の国で、現世の心残りを是非果たして頂きたい。

最後になったが、
故人の冥福を、心より祈る。
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