忍者ブログ

デフレの怖さを知らない経済学者

新自由主義者こと、新古典派経済学を信奉する人達。
日本で経済学者と言われる人達の過半数が彼らだ。
そして政界にも、この考え方が蔓延している。

政治家は分からず追従しているだけの様だが、それが国の方向を誤らせている。

新古典派経済学では、需要(買い手)は常に居ると言う概念の様だ。
だから経済回復には、供給(売り手)を活発にさせる事が主な手法となっている。
規制緩和はまさにその通りで、規制を緩和して供給を増やそうとするもの。
竹中平蔵曰く「稼ぐ力を付ける。」のだそうだ。
だから景気を回復させるには、供給能力を上げる事が必要と言う概念だ。

新古典派経済学では、景気が悪いのは調整局面だと言う捉え方をしている様で、
需要が低い事が問題と言う概念は無い様だ。

だからデフレ不況にも関わらず、供給を増やしてしまう。
その結果デフレギャップが拡大して、よりデフレが深刻化する。
デフレ下で規制緩和して、タクシーの台数を増やし、
タクシードライバーの収入が減ってしまった事は良い例だ。

彼らは需要が弱体化していると言う概念が無いから、デフレの怖さを知らない。
大学の経済学者にデフレの影響は無い。給料は減らない。仕事も無くならない。
デフレを実感する事が無い。
それどころか、物価が下がる事は良いことだと言う輩まで居る。

デフレで物価が下がると言う事は、それに携わる人の収入が減ると言う事だ。
さらにそれが広がると、仕事を失い、収入を失う人達がいる。
破綻する企業も出てくる。

新古典派経済学者達は、企業が破綻したりする事を「自己責任」と言い、
失業した人達の事を「仕事のミスマッチ」と言う。

デフレは供給(売り手)>需要(買い手)の構図。
これを是正しようとして、
供給を減らすと失業者が増え、将来の供給能力が減ってしまうから出来ない。
だから需要(買い手)を増やすしかない。需要の喚起だ。
それには、買い手にマネーを流すしかない。

新古典派経済学では、デフレ下であろうと供給を増やそうとする。
だからよりデフレが深刻化する。
供給を増やすのは、インフレの政策。
今はデフレだから逆。供給は抑えて需要を増やす事が必要。

所がデフレに陥った日本経済には、これまで間違いだらけの経済政策が取られ続けてきた。
やっとアベノミクスで是正しようと言う動きが出てきた。

所が、経済諮問会議や消費税の諮問会議には、
多数の新古典派経済学者やそれを信奉する評論家が出席している。

消費税増税や規制緩和、構造改革はインフレの政策で、
デフレ下で行ったら、景気回復の足を引っ張る事になる。

デフレの怖さを一番知っているのは中小企業の経営者だ。
収入が減り、仕事が減り、破綻してゆく。
自己責任でも無いし、ミスマッチでも無い。
お上が政策を誤っているだけだ。

経済の動きに併せて、政治家や公務員などの給料も比例させれば、
デフレの怖さを知り、真剣に経済対策もするのだろうが、
収入が変わらず物価が下がるのだから、収入が変わらない人にとっては
デフレは別世界の話だ。
だから理論上でしか話をしないし、この時期に増税なんて事を平気で言える。

残念ながら、消費税増税は安倍総理が余程気合を入れて動かない限り、
このまま増税されてしまう。多分増税されるだろう。

デフレの怖さを知らない連中が経済政策を行っているのだから、
いつまでたってもちぐはぐな経済なのだ日本は。



にほんブログ村

PR