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男のヤキモチ

実にくだらない、男のヤキモチの話し。

夏祭りの準備で俺は役員では無いものの、要請を受けて櫓を組んだり、テントを建てたり手伝いをした。
別に見返りを望んでは居ない。缶ビールの二~三本も頂ければそれで十分だ。

だから手伝いをした後、仕事もあったからさっさと引き上げた。
その他の人達は準備が終わった後、集会所で一杯やったらしい。

先日役員の人から電話が来て、夏祭りの準備のお礼があるから届けると電話が来た。
俺は断ったのだが、わざわざ取っておいてあるから今から持ってゆくと言うのだ。

丁度その時表にいて、近所の男と世間話をしていた。
その男も祭りの手伝いをしていた男だ、
俺はその男は、とっくに手伝いのお礼を貰っていた物だと思っていた。

しばらくすると、役員の人が紙袋を持ってやってきた。
中には菓子折りとタオル、500円のプリペードカードが入っていた。
俺は恐縮しながら受け取った。
役員は何故か気まずい顔をしていた。
立ち話をしていた近所の男の表情が変わった。

俺は気がついた。役員は立ち話をしていた男には、お礼を渡して居ないのだと。

役員が立ち去ったあと、近所の男は言った。
「俺そんなの貰ってねぇ。頭に来るな!」

そんな頭に来る程の物でも無い。
俺はもらったお礼をその男に渡そうとしたが、
それはそれでその男のプライドを傷つけてしまいそうだったから、
さっと話を切り上げて部屋に戻った。

思い返せば、近所の男は、準備が終わった後に、集会所で飲んで食っている。
俺は仕事だったから、準備が終わったら速やかに引き上げた。
役員はそれを見て、お礼を持ってきてくれたのだろう。
近所の男は、自分が飲み食いしたのを棚に上げてお礼の品を貰っていないとヤキモチを焼いたのだ。
良い歳こいた男がだ。

この事で、俺はその近所の男の器の小ささを知った。
そんなに煎餅とプリペイドカードが欲しいのか?たかだか総額千円程度の内容だ。


それまで親しく思っていた近所の男に対して、
俺の心の中で、少し距離が空いた。



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