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師匠

俺は大学の先生の紹介で不動産会社に入社した。

そこで最初に放り込まれたのが仕入れ開発部だった。

仕入れ開発部と言っても、中小企業だから、俺と上司の二人しか居ない。

これが今にしてみたらこれが良かった。

ここで不動産の基礎をマンツーマンでみっちり仕込まれたのだ。


法律は勿論、開発や不動産の概念までしっかり叩き揉まれた。

建売は仕入れで失敗すると、その後全部に影響する。

だからかなり厳しく仕込まれたが、それが今の俺の基礎になっていて感謝している。


営業からこの業界に入ると、金儲けの算段から覚えてしまうから、長続きしない奴が多い。


上司は当時40歳過ぎで、土地家屋調査士の資格を持った人だった。

営業のセンスは無かったが、知識はすごかった。

難点なのは酒が好きで、良く正体を不明にしていた。

そんな上司を俺は心の中で尊敬の念を込めて師匠と呼んでいた。


師匠は一度この会社を離れ、独立して土地家屋調査士の事務所を立ちあげたが、

今も事務所を運営しつつ、その会社の取締役となって仕事に関わっているそうだ。

もう年齢は70歳を過ぎているはずだ。

一度大病をして入院していたと風の噂で聞いたが、今は健康を取り戻しているそうだ。

時折当時の事を思い出し、今の自分があるのは、師匠のおかげだと感謝している。

師匠と出会っていなければ、今の自分は無かったと思っている。

いつまでも元気で、そして現役で居て欲しいと願うのだった。



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