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祇園暴走 賠償命令

数年前、京都の祇園で、持病のてんかん発作を起こし、運転していた乗用車を暴走させ、

多数の死傷者を出した事故。

損害賠償請求の判決が出て、

この乗用車を運転していた社員を雇用していた会社に対して、

5200万円の損害賠償の判決が出た。


刑事事件的には、雇用していた会社の社長は、

容疑不十分で不起訴処分となっていた。


俺は経営者だから、つい経営者の立場で物を考えてしまう。

事件や裁判の詳しい内容が分からないから、推測でしか言えないのだけれど、

雇用した社員が、てんかん持ちなのかどうかは、本人側から申告がなければ分からない。

以前、クレーン車で同様の事故が起きたが、

てんかん持ちである事を秘匿して就職した場合、

会社側は、それを見抜く事ができない。


また、てんかんを患っている側からすれば、

てんかんに対して、理解の有る経営者でなければ、雇ってもらえず、

厳しい経済状態の中では、雇用の門戸も狭くなってしまう。

なので、てんかん持ちを秘匿して就職する人も、中にはいるのだと思う。

またてんかん発作を突然起こす事があるとなると、

仕事の内容も限られてしまい、これまたてんかん持ちの人には、厳しい事になってしまう。


社会的に、てんかんに対しての理解が少ない。

それに対応した社会ができて居ない。

確かにてんかんを患っている人は少数だから、

理解や対応が取れていないのは致し方が無い所。


正直言って、ウチの会社でも、もしてんかんを持っている人が来たら、

雇用できない。

それは差別していると言う事では無く、

クルマの運転などさせられないからで、

クルマの運転ができないと

ウチの会社の場合、仕事にならないのだ。


経済がまともで、世の中全体にもっと余裕があれば、

こういうハンデを持った人を、

社会にも受け入れ先ができるのだと思う。

しかし、経済が厳しく、全員が即戦力にならなければやって行けない状況になると、

ハンデを持った人を受け入れる余裕が無くなる。


こんなところでも、デフレ不況の弊害が出てくる。

事故を起こした側も、死傷した側も、雇用した側も、

誰もが救われない、不幸な出来事だ。



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