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生活保護は場末の病院

これは仕方の無い事。

ある人に頼まれて、
生活保護を受けている人の転院を手伝った。

転院した人は生活保護を受けていたお年寄りで、
脳に悪性腫瘍が出来てしまって手術を受けたのだけれど、
悪性腫瘍が出来た場所が悪くて、
理性や感情、記憶を司る場所が損傷してしまった。
その結果、
半分正常、
半分アルツハイマーの様な状態になってしまった。

当初は担ぎ込まれた比較的設備が整った綺麗な病院だったんだが、
いつまでも同じ病院に入院できないとの事で、
別の病院に転院したんだが、
転院先の病院はイメージとして、
昭和30年代の病院をイメージして頂ければ分かりやすい、
設備の悪い病室だった。
それまで入院していた病院とは、
天と地の差があった。

狭い部屋に6人が入院していて、
病室の入り口は木製の引き戸。
廊下や病室には、
後から取り付けた酸素の配管などが露出している。
廊下は狭く様々な物が置かれていて、
通行にはちょっと気を遣う。

トイレは病室から廊下を挟んだ反対にあって、
扉は無くカーテンで目隠しするだけ。
便器は無く、おまるがあってそこでやる。
音も臭いも外に筒抜けだ。

俺は割と寝泊まりする場所にはこだわらない方だが、
さすがの俺でも
「こんな所には入院したくない。
 一日も早くここを出たくなるだろうな。」
と思ったぐらいだった。

今行政には予算が無い。
年金では足りず、
生活保護を併用する老人も多いと聞く。

限られた予算の中では、
綺麗で立派な病院には入院できないのだろう。
もちろん、
病気や症状によって、
受け入れの条件もあるのだろうが、
さすがに「これは無い。」と思う様な病院だった。
他の入院患者をみても、
「普通の人」とは思えない患者ばかりだった。

不幸なのは入院した本人で、
全くボケてしまったのなら、
どんなところでも関係ないのだろうが、
半分はまともだから、
まともな判断と感覚を持っているから地獄だ。
そこを出たいと訴えていた。

いざとなったら
「生活保護を受ければいいや。」
と安易に考えている輩がいる様だが、
実際の生活保護は、
この様な厳しい事がある事を認識しなければならない。
現実は厳しい事を知った。
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