勝手にぶつぶつ
保証されない自然災害
熊本地震が発生して10日が経った。
ボランティア活動もはじまり、25日には激甚災害指定もされる。
これから熊本の復旧が始まる。
活断層直上の建造物は、二度の震度7の揺れに襲われて激しく毀損している。
倒壊している建物は、古いものが多いが、中には比較的新しい建物もある。
住宅ローンが残っている建物が倒壊したケースもあるだろう。
この場合、地震保険に加入していなければ、損害は全て自己負担となる。
ローンが残っているのに、家には住めないと言う事になる。
地震保険に加入していたとしても、100%保証されるには、
一定の基準によって、全損と認められた場合だ。
しかも100%保証とはいうが、時価額が限度となる。
つまり築後ある程度経った建物は、評価額が下がると言う事だ。
乱暴な例だが、1000万円で建築した家で、築後15年が経過していたら、
その評価は500万円で、全損認定されたとしても500万円しか保証されないと言う事だ。
でも再建築しようとしたら、1000万円が必要で、
ローンが500万円残っていたとしたら、
残債を返済してチャラと言う事で、新たに建築する時には、
また資金調達しなければならないと言う事になる。
このケースの場合、借入金を処分できただけもラッキーで、
地震保険に加入していなければ、住めない建物のローンを支払わなければならない事になる。
地震保険に加入しておけば、万が一の時には全て保証されると言うことではなく、
損失を少しでも減らす事ができると言う事だ。
問題は、保険料が高いから、そのあたりの兼ね合いもある。
いずれにしても自然災害が発生すると、大きな損失が発生する可能性があると言う事だ。
建築をする際には、耐震性の高い高い建物を建築する事が、
命はもちろん、自分や家族の人生を守る事にもなるから、
デザイン重視でなく、構造に意識をおいた方が良いと、業界の人間から提言したい。