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ぬくぬく現場待機

アベノミクスの金融緩和で、経済は確実に良くなっている。ただし消費増税で足踏みしている。
それでも、これまでデフレでリストラの嵐が吹き荒れていたが、今は求人が盛んになっている。
ウチの会社もご多分に漏れず人手不足だ。
だけど、人を雇うまでには行かない。中途半端な状態だ。

でも人手は足りないから、俺が借り出される。そんなんで、俺は何でもやる。
便所掃除から戸締まりまで、代表戸締まり役だ。

今は現地待機の要員がたりず、駆りだされている。
3月半ばとはいえ、今日は真冬並みの肌寒さ。
現地待機と言っても流石に表には居られない。

暖房が使える場合は室内。そうで無ければ営業車の中だ。
俺が使っている営業車は、一昔前のミニバン。会社で一番古いクルマに乗ってるw。

ミニバンだから中が広い。
後ろのシートを対座にして、仮設の工事用コンセントから電源を引っ張って、
社内は小型の電気ファンヒーターで暖房する。ぬくぬくだ。

もし客が来ても、寒いところでは商談どころじゃない。
その点、暖房が効いた車内なら話ができる。

これが乗用車の営業車だとそうは行かない。
車内で商談はできないし、でエンジンかけっぱなしだと近所迷惑になる。
それに狭いシートは案外眠くなる。

広い車内のミニバンなら、電源が取れれば事務所と同じだ。車内で事務仕事もできる。
今日は休暇がてら現場待機をしたから雑誌を読んでいたが、
明日はパソコン持ち込んで図面の作成だ。

俺には一番売れそうも無い現場を押し付けるから、現場に客が来ない。
一日暇で暇でしようが無い。それじゃあ商売にならないんだが、
日頃あちこち走り回っている身には骨休みになる。
たまには良いかと思っている。

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