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マンションは運命共同体

首都圏の利便性の高い所では、用地が足りないから建築物は高層化している。
マンションもその一つだ。

分譲マンションと言うは、運命共同体なのだ。
確かに自分専用の部屋はあるが、躯体や施設は所有者全員の共有物であり、
自分専用の占有物では無い。

土地は古くなっても腐らないが、建物は経年劣化する。
特に設備関係は数十年で補修が必要になってくる。
そういった費用は、毎月修繕積立金として管理組合が徴収して積み立てている。

しかし古くなって建て替える時や、地震などで大きな損傷を受け、
大規模な補修が必要になった時に問題が発生する。

これは阪神淡路大震災の時にあった事なのだけれど、
2つに構成されたマンションがあって、一つは無傷だったのだが、もうひとつは大きく損傷を受けた。
所が、この2つのマンションの管理は統一されているため、
無傷だった方の所有者も、もう一つの大きく損害を受けた建物の補修費用を負担しなければならないのだ。

自分の所は何とも無いのに、隣の建物の為に費用負担をしなければならないのがマンションなのだ。

マンションの寿命はおおよそ60年と言われている。
大体30年を超えると、設備関係を中心に補修が必要になってくる。
またコンクリートの安全性能を考えると、60年がひとつの目処になってくる。
そうなると危険で、建て替えの必要が出てくる。

所がそこに住んでいる人の状況は千差万別だ。
「別に処分しても構わない。」
と言う人も居れば、
「中古で買ったから、ローンの残債が残っている。」
という人も居るし、
「ここを追い出されたら行く所が無い。」
と言う人もいるだろうし、
「建て替えの為の費用は出せない。」
と言う人もいるだろう。

戸建てなら、住んでいる人の自由だ。
「雨樋が壊れているけど、今は金が無いから来年直す事にしよう。」
とか、
「来年は子どもたちと二世帯住宅に建て替えよう。」
とか
「売却して他所へ引っ越そう。」
とか、個人の自由でどうにでもなる。

しかしマンションは、共同所有物であるため、個人の自由にはならないのだ。
まだ日本にマンションが建ち始めて60年は経って居ない。
しかしもう10年もしたら、高度成長期に建てられたマンションは、築60年を越える。
そうなると老朽化したマンションの建て替え問題が発生する。

古い都心のマンションは、建蔽容積に余裕があるから、
取り壊して二回り程大きな建物を建てて増やした所を新たな入居者に売って、
建て替え費用を捻出する等価交換と言う手がある。

しかし近年に建てられたマンションは、建築限度いっぱいに建てられているから、
等価交換と言う手が使えない。

また都心や利便性の高い立地のマンションならば、デベロッパーと組んで、
再開発と言う手もあるが、郊外のマンションはその手も使えない。

古くなった運命共同体のマンションはこれから大問題になる。
また首都圏地震の発生が懸念されている昨今、
もし地震に襲われて大きな損害を受けて住めなくなったマンションも同様だ。
壊れて住めなくなった建物の費用負担をしなければならない。

マンションを買うと言う人は、その辺りの事を考慮した上でマンションを購入した方が良い。
マンションは、所有者全員が運命共同体になるのだ。

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