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お客に振り回される営業マン

今ウチの営業マンが苦戦している。
彼はベテランなんだが、これまでブツイチ営業しかしてこなかったから、
そっぽを向いている客の気持ちを、こっちに向かせる技術を持ち合わせておらず、
客に振り回されて苦戦しているのだ。

俺の営業は違う。最初に入った会社がヤクザな会社だったからwww、
そっぽを向いている客を、最初にこちらに向かせて、どんどん巻き込んでゆく技術をもっている。

その技術は、誰かに教えてもらった訳ではない。
営業形態が一発屋の劣悪な環境だったから、それをどう打開すれば良いのか自分で考えて、
練り上げた技術だ。

だから、買う気の無い奴とカネの無い奴以外はほとんど契約になる。
当たり前だ。こっちのペースに巻き込んでいるんだから。
ウチの営業が今苦戦しているのは、
「客の要望に沿う物件が無い!」とバタバタしている。
もう2~3か月になるんじゃないかな。
客なんてのは、不動産に関しては素人で、素人の視点で物件を見ているから、
客の欲する物件なんてある訳がない。
そこが理解できていない。

特に土地は生産性が無いんだから、今ある物で勝負せざろう得ないのだ。
だから客の要望に沿うのでは無く、
客の頭を今有る物件に切り替える作業を最初にしなければならないのに、
それができていないから「(客の意向に合う)物件が無い!」と右往左往しているのだ。

俺が学校を卒業して最初に入った会社は、いわゆる一発屋上がりの会社で、
その形態を引きずっていた。
自社物売りの「売り建て」で、販売価格は相場より500万円ぐらい高かった。
だから、現場のブツイチ売りでは、絶対に契約にならない商品しか無かった。
仲介物件を扱う事は禁止自社物件を売るしかなかったのだ。

そんな商品だから、ストレートに広告しても反響なんてあるはずがない。
だからおとり物件を広告に載せて反響を待つ。
反響が来たら、会社に呼ぶ。
会社に呼んだら、第一接客で客の頭を自分の売りたい物件に切り替える。
客の頭を切り替えたら営業車に乗せて、予め想定した案内コースを回って、
売りたい物件で落とし込む。

この技術は様々に応用出来て、相手を自分の売りたい商品に向かせたり、
自分の考えに沿わせたい時には大いに役立つ。
自慢ではないが、現役の営業マンだった頃は、集客に対する契約率は9割に近かった。
ダメだった客は、上気した通り「カネが無い」か「最初から買う気が無い」客だけだった。
呼んだ客が会社に入って来た時に顔を見れば、
契約になるかならないか分かったぐらい研ぎ澄まされていた。

この技術を習得した者は、どこの会社に行っても強かった。
売れ残りの物件でも、あっさり売る事ができた。

転職してブツイチの会社に入った時、逆にとまどった。
何の労せず契約になるから、どうして良いのか分からなかったのだ。
一日現場で待機していれば勝手に客が来て、勝手に契約になるのだ。
一日現場で待機している事が苦痛でしようが無かった。

時代が良い時はそれで良かったが、悪くなったらそもそも客が来ない。
そして買い手市場になったら、営業マンは客に振り回されて業績を落とす。
技術の無い営業マンは食えなくて辞めてゆく。

そして今、ウチのベテラン営業マンも、それで苦労している。

もし俺が最初からその客の担当だったら、とっくに契約している。
「じゃあお前がやればいいじゃん。」と言われるかも知れないが、
営業は営業に任せて、俺は口出ししない事にしている。
俺はプロデュースする方に回ったのだから、見守る事にしたのだ。
と言うか、本音を言うと俺のやり方は、最初から最後まで常に神経をピリピリさせて、
お客の一挙手一投足を感じ、それを汲み取って誘導して行くからすんごい疲れる。
だから営業をやりたく無いのだwww。もう歳だからしんどい。

さてウチのベテラン営業、今扱っている客を仕留める事ができるか。
俺は援護射撃をする方に回るとする。




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