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ヤバくなって来た首都圏郊外の不動産屋

今年に入ったあたりから、
急ブレーキが掛かっている首都圏郊外の不動産市場。
急ブレーキの理由は、
世界同時不況と、少子高齢化による不動産市場の鈍化が原因だ。

そんな状況から、
ここへ来て首都圏郊外の不動産屋が行きづまってきている。

ある不動産屋があるんだが、
金融機関から融資を受けてバンバン仕入れをしていた。
土地を買って社屋も立てて、社員も増やしてイケイケどんどんだった。

ところがここへ来て、殆どの社員が辞めたとの事。
そして、数か月前から仕入れ物件を急募し始めた。
そんなに物件が足りないのか?
聞く所によると、その会社は在庫が溜まっているとの事。
それなのに、何で仕入れ物件を急募しているのか?

それは、資金繰りに詰まって来て、
運転資金がヤバくなって来たと見るのが正解だ。
手持ち物件の在庫が溜まると利益はでないし、
金利の支払いが厳しくなってくる。経費の支払いも同様だ。
当然運転資金も詰ってくる。
しかし今金融機関は融資を絞っていて、
そう簡単に希望通りの運転資金は融資しない。
特に不動産屋の運転資金に対しては審査が厳しい。

そこで良くやる手なんだが、
仕入れ物件融資をオーバーローンして、
オーバーした部分を運転資金に回そうと言う訳だ。
これをやり始めた不動産屋は、かなり運営が厳しいと見て間違えない。

ここへ来て、そんな不動産屋の話をよく聞く。
件の不動産屋だけの話では無いのだ。

アベノミクスで金融緩和され金融機関は
融資できる所に片っ端から融資を突っ込んでいた。
景気回復もあって、不動産が若干ではあるが動きを見せていたが、
一昨年辺りからブレーキが掛かって、
今年に入って急ブレーキが掛かっている。

それまで調子こいて仕入れしていた物件が売れなくなって、
塩漬け物件が増えて来たのだ。
損切りしてでも売り抜けられれば良いが、
小さな不動産屋は、ひと物件毎が勝負だから、
損切りできない事が多い。

物件が売れなければ利益は無い。
当然運転資金や金利の支払いに困る事になる。
貯えがある内は何とかなるが、
それが底をついたらパンクする。
しかし金融機関は運転資金を融資しない。
そこで、仕入れ物件をオーバーローンして運転資金を確保しようと言う事だ。

当然この行為は金融機関に対する詐欺にあたる。
上手く売れ抜けられれば発覚する事無く終わるが、
行き詰まった場合は、その辺りの責任も問われる事になる。

調子よい時は、倍々ゲームで儲かるが、
不動産は単価がでかいから、ブレーキが掛かった時が恐ろしい。
簡単に返済できる物では無く、潰れる時は早い。

俺はそういう状況をこれまで何度も見て来たから、
ウチの会社はあえて大きくせず、
ずっと零細企業のままで、安定した貧乏をやっている。
無借金経営だから、市場の変化にも耐えられる。

俺はベンツに乗りたいとも思わないし、
豪華な家に住みたいとも思わない。
必要最低限があれば良く、
細く長く続けて行ければ良いと思っているから、
大儲けする事はごくたまにあるが、大損する事は無い。

今の政治を見ていると、
この先、嘗ての輝いた経済に戻る可能性は限りなく低く、
不動産市場に関しては、少子高齢化の影響を強く受け、
住宅市場に関しては、長い目で見たらデフレが続いて行くものだと見ている。

そうなると、
金融機関から融資を受けて物件を仕入れる事は、
ちゃんとした目を持っていなければリスクになる得る。

調子こいてバンバン仕入れすると、
その内経済がちょっと調子悪くなったら、
それまで右肩上がり経ったベクトルが、一気に下がる事になる。
それに耐えうる体力があれば良いのだが、
オーバーローンするという事は、
すでにその体力は無いと見るのが正しい。

その様な不動産屋が増えているし、
住宅ローンのパンク件数も増えていると聞いているから、
首都圏郊外の不動産市場は来年あたりから、
じわじわリーマンショックの後の様な状況に陥るのではないだろうか。

そうなった場合は、
ウチみたいなところは却ってビジネスチャンスになる。
だけど、スケベ心を出すと失敗するから、
そこは謙虚に展開して行く事が肝心だな。
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