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最近のシャブは電子タバコ

何年か前の事なんだが、シャブをやっている奴に久しぶりに遭った。
遭っただけで、挨拶も会話もしていない。俺はそいつの事が嫌いだから余計だ。

そいつの事は良く知っていたはずなんだが、
あまりに顔が変わっていて、最初誰だか分からなかった。


その時はそいつがシャブをやっている事を俺は知らなかった。
「どこかで見た顔なんだが、はて、誰だろう?」
と、20分ぐらい誰だか分からなかったぐらい老けてやつれた顔をしていた。
今にして思えば、そいつの顔が変わったのはシャブの影響だったのだろう。
そいつだと分かった時にはあまりの変わり様にちょっと驚いた。

そいつは喫煙者で、日ごろメンソールたばこを好んで吸っていた。
その時もそうだった。
ところがそいつは電子タバコも持っていた。
でもそいつが電子タバコを吸っている姿は見た事がなかった。
その時は「たまに電子タバコも吸うんだ。」ぐらいにしか思っていなかった。

先日報道で、
「覚醒剤の摂取に電子タバコを利用する。」
と報道があった。
それを読んだ時に、久しぶりに遭った奴の事を思い出した。

以前刑事に聞いた話では、
注射でシャブを摂取すると注射痕が残るから、
アルミホイルなどにシャブを乗せて、
下からライターの炎で炙ってその煙を吸って摂取すると聞いた事がある。
ただしその場合、注射で摂取するよりも倍量が必要になるんだとか。

報道によれば最近は、
シャブの水溶液を作って、それを電子タバコで吸引するのだそうだ。
なるほど。
それならシャブを炙ったアルミホイルも残らないし
効率も良さそうでスマートだ。
多分奴は、電子タバコを利用してシャブを摂取していたのだろう。
持っていた電子タバコはシャブを摂取する道具に違いない。
全てに合点がいった。

ちなみのそいつはその後警察のガサ入れを喰らっている。
悪運強くその時は検挙されなかった。

ガサ入れが入った頃、そいつは経済的に厳しい状況に陥っていた様だから、
カネが無くてたまたまシャブに手を出していなかったのかも知れない。
もうひとつ、
そいつの交際相手は現在シャブで服役中だ。
そいつは交際相手からシャブを入手していた可能性が高い。
シャブをやっていなかったのは、
交際相手が服役中で、シャブが手に入らなかったのかも知れない。
交際相手が娑婆に戻って来たら、再び手を出すに違いない。

今はガサ入れされた事によって、そうとう警戒している様だ。
しかし来年あたり交際相手は娑婆に戻って来るらしい。
そうしたら再びシャブに手を出して検挙されると思っている。
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